ハナの訓練
イベントまであとリアルで一週間
開始するのは午後8時から
それまで私は素材集めをすることにした
新しい装備欲しいし
何より早くお金集めて家買いたいんだよね
リンだけじゃなくて私も
「出かけてくるね」
「何しに行くの?」
「ちょっと狩りに」
「デスらないように気をつけて」
宿屋のドアを開けて階段を下ると
スーザンさんが話しかけて来た
「これ持ってきな、あんたら新人冒険者なんだろ?」「新人ではないんですが冒険者ではあります。でもこれいいんですか?」
スーザンさんが渡そうとして来たものは
お弁当だった
「いいんだよ。これでも聖女って言われてたんだよ?「……」今の笑うところなんだけどなぁ
ほら行った行った。時は金成りっていうだろう?」
スーザンさんに弁当を押し付けられてしまった。
時は金成りってここでもいうのか。
以外と他のことわざもありそうだなぁ
あ、いい匂い
「一本ください」
「串カツだね。200yenだよ」
目の前のパネル『はい』の文字を押す
ちょっと驚いた様子で
「はい、どうぞ」
串カツを渡してきた
うんまい
そんなことを思いながら街を歩く
今の目的地は冒険者ギルドだ
イベント対策でユウは経験が足りないって言ってたから私は訓練をしようと思うんだ
やっぱりいい匂い
「一本ください」
「焼き鳥だね。230yenだよ。」
「一本ください」
「一個ください」
「一杯ください」
うん、うんまい
少し食べ過ぎかもしれないけど
今度リン達と来ようかな
全然進んでなかった…
商店街を通ってショートカットしようと思ってたのに逆にタイムロスになっちゃった
リンに『お金使い過ぎ!』って怒られちゃうかな?いや、満腹値のためだから…必要経費だよね
今度は寄り道せずまっすぐ歩く
あ、いい匂い…だけど
もう満腹値はいっぱいなんだ
このゲームは本当面白いと思う
NPCが生きてる人みたいに思えるし
NPCに暮らしがあるんだなって思わされるくらいリアルで頼めば一緒に狩りにもきてくれたりする
友達にもなれるし喧嘩してるのを見たこともある
でなんで冒険者ギルドに来たかというと…
冒険者ギルドの扉を開き中に入る
「よぉ、昨日ぶりだな、ハナ。今のクエストはあまりいいものはねぇぞ。それとも買いとりか?
前の竜の素材は良かったぞ」
「昨日ぶりです、ドラコさん。
今日は鍛えて貰おうと思ってきたんだけど頼める?」
「もちろん、美人さんの頼みは断れないからな…
だが下級竜を倒すようなクランの人が俺に教えを請うのはどうなんだ?」
美人さん…
お世辞だとわかってても嬉しいね
でも訂正しないといけない点が
「倒したのは私じゃなくて私の友達なんですよ」
そう下級竜を倒したのは私ではなくリンだ
「そうか、友達のクランが倒したのか…
ならその装備も前から持ってきた身の丈に合わない素材にも納得だが、なんでその友達さんは素材を直接持ってこないんだ?」
ん?話の流れが怪しいぞ?
友達のクラン?
「素材を代わりに持ってこないといけないような犯罪者と手を組んでいるなら悪い事は言わない。今のうちに手を切っておく事をお勧めするぜ。」
「チッガーウ!」
どうやらとんでもない誤解をされているらしい
早く誤解を解かなければ…
「下級竜を倒したのは、パーティメンバーの友達なんですよ。それに友達は犯罪者じゃありませんよ」
よし。説明はしたぞ。
これで誤解が解けたはず
「……」
どうしていきなり黙る
「…いや…うーん…」
なんか考え始めてるな
謝罪の言葉かな?
「それって単一パーティで倒したのか?」
ん?何を言っているんだ
リンが単独で倒したんだから当たり前だろ
「そうですけど何か?」
「はぁぁぁぁぁ?!?!」
ど、どうした!?
「どうどうどうどう」
「いやいやそれだとお前達のパーティのメンバーは3人って事だろ?3人で下級竜は倒せるもんじゃないぞ。神級や帝級の剣士や魔術士ならありえんこともないが…」
「だからチッガーウ
3人じゃなくてリン一人だって」
「…嘘だろ。リンって確か弓兵だったよな」
「そうだよ、さっきからどうしたのさ。
早く訓練始めようよ」
正直私達に時間はないんだ
素材集めもしたいし…
「ドラゴンって素材としてどうなんだろ…」
「いや極上に決まってんだろ」
「じゃあ訓練終わったら狩りに行くか」
「何、薬草拾うかみたいなのりでドラゴン狩るっていってるんだ?」
「じゃあ訓練お願いします」
「もういいよ…じゃあ期待はずれでないことを祈るが…その装備はなんだ?
そんな装備じゃなくてしっかりとした装備で来い」
そういってドラゴさんは訓練場へ歩いていった
「いや、これが本装備なんだけどなぁ。
いや巫女服があったか」
でも巫女服はイベントの時しか着ないって決めたんだよ
私も訓練場へ歩いていく
全身見習いのこの装備で一応武器は
全鉄の片手剣にしておく…
二刀流もいいかな?
一応見習いの片手剣も装備する
防具は見習いのままだ
うわー怒ってる?
ここで怒ってる?って聞いたらさらに起こりそうだな〜
「なんだ、その装備は」
「武器がちゃんとしてればいいんですよ」
「前衛なのに防具は着ないのか?」
「当たらなければどうということはないでしょ?」
「命知らずめ…」「まぁ死んでも復活できるんでね」「そういう考え方は嫌いだよ」
「死なないしまず攻撃に当たらないんで」
「じゃあ始めるぞ
戦いの神【火無理】よ
今ここで修練を積むものに加護を…」
「今のなんですか?」
「これやると
俺らは訓練モードってよんでるんだが
HPと武器と防具の耐久値が減らなくなるんだよ」
メ、メタァ
HPという概念がNPCにあるとか
世界観ぶっ壊しな気が…
まぁ、いいかこれは精いっぱい剣を振れる
壊れる装備はこの剣しかないけど
「ところでスキル経験値はもらえるんですか?」
「スキル経験値ってなんだ?んーまぁ戦う技術は少しは身につくんじゃないか?」
なん…だと
HPはオッケーでスキル経験値はダメなのか…
運営の判断基準がわからない
「じゃあ始めよう」
「あ、お願いします」
武器を構える
まずは二刀流ではなく片手剣で
「もう一方は抜かないのか?抜く時間くらいは待ってやるぞ」
「いえ、今はこのままで」
「じゃあ行くぞ」
ドラコさんが走ってくる
早っ?
あんれ〜遅い
遅いよ
どれくらい遅いかっていうと
私の強化無しの全速力の二分の一
地竜と同速、バイクと同じ
東の虎達の三分のニ
だいたいそれくらい
本気じゃないだろうし私も5、6割の力で戦おう
今日は戦闘技術をたっぷり見て盗もう
もしかしたら剣術スキルとかあるかもだし
右足を踏み込んでの袈裟斬りが来る
左へかわす
左足を踏み込みながらの水平斬り
後ろへ
右足を踏み込んでの突き
右へそして薙ぎ払いを先読みしてしゃがみ後ろへ
袈裟斬りからの斬り上げそして水平斬りからの切り返し
かわすだけじゃなく反撃もしようかな
防御は使わないけど一応
突きをかわし斬り上げる
ドラコさんは体を左へずらしながら剣で受け止める
一歩引いて一回フェイントいれてからの突き
袈裟斬りからの斬り上げ
飛び斬りはかわされた
「なかなかやるじゃねえか」
突きが来る
体制が崩れていたので転がって回避
しばらくやったので二刀流に変える
「はぁはぁ、まじかよ」
あれからドラコさんは本気を出してきたんだけど
速さが足りない
確かに力は強いし技術も確か
判断も早いんだけど
速さが足りない
ドラコさんは防御と反撃がうまいからいい練習になる
「…はぁ…」
ドラコさんは喋らない
まぁ、マンガとかで戦いながら喋ってるのを見ると信じられないって思うからいいんだけど
「ハッセィッ」
金属音が響く
一応攻撃は当たる
当たるけど…
「チィッ」
少し肌を切るだけだ
全鉄の片手剣が弾かれカウンターが来る
カウンターを避けるとドラコさんの蹴りが間髪入れずにきた
「あっぶな」
後ろへ跳躍
ドラコさんの受け流しと回避の技術がやばいよ
「今のは決まったと思ったんだがな…
ちょっとショックだよ」
もうちょっとドラコさんの動きをよく見よう
あと攻撃を剣で受けて見ようかな
何かコツがつかめるかもしれないし
「へぇ」
「なるほど」
ドラコさんのカウンターを片手剣で受け流し
蹴りをギリギリでかわす
突きを放つ
ドラコさんの振り下ろした剣を最小限の動きでかわす
※スキル 回避術
スキル 受け流し
を習得しました
「コツがつかめました。ありがとうございます」
二刀流はなかったようだ
「お疲れ様、なかなかだったよ。
…すまない」
???
どうして謝る?
「そちらがそういう装備だったんでこっちも本装備じゃなかった、こちらこそこんな装備で相手をしてすまなかった」
ああ、そういうことか
「次やる時はお互いに本気の装備で
戦いましょう」
ちょっとカッコつけちゃった
ステータスをチェック
ハナ
種族ヒューマLV50 職業 剣巫女LV50
HP45+10 MP60+15 スタミナ70+15
筋力40+12 防御30+7 素早さ215+15
器用さ 50+30 知力20+5 精神10+5
スキル
剣舞LV45 三次元運動LV30
縮地LV30 空歩LV30
豪脚LV37 マラソンマンLV34
空蝉LV30 回避術LV1
受け流しLV1 スキル残り枠1
称号
一騎当千 電光石火 辻斬り 走り屋 韋駄天
竜殺し
さてと
「じゃあ竜狩ってきます」
「おまっ…はぁ。あぁ…行ってこい」
私は訓練場を後にして
東の森の奥へ向かった




