クワとハンマー〜農民一揆〜
イベント開始!と同時に
俺ら生産職は取り残された
実はこのイベント戦闘職の輩には美味しいイベントなのだが、生産職からしてみれば報酬がないとやる気が起きないのである。
「お前らそれでいいのかぁぁああ」
声の主はクワ持ったハゲたおっさんだった
「俺らはぁああ生産職だがそれなりに金がかかるッ。だから今こそ運営に俺らも戦えると証明してやろうじゃないかぁぁぁああ」
いや逆だ。戦えないから助けてくれ、と願うべきだ。
ただカリスマがすごい。何故かこの人ならやってくれる気がする。
「よおおぉぉし。お前らクワをもてぇぇえ」
「おぉぉぉおおっ」
うわっ、暑苦しいっ。やっぱ嫌だ!
「突撃ィィ!」
【突撃ィィ!】
何だろういま百姓一揆を思い出したんだが。
でも百姓って確か武士から剥ぎ取りをしてたからそれなりに装備はあったらしいんだよな。それに兵役もあるところはあったらしいし。
……つまりこれが本当の農民一揆!
10分後
広場には死に帰りした86名のハゲたおっさん達と
64名のもやし野郎ども、そして普通のプレイヤー1200人、そして最前線の攻略組35人がいた。
やっぱ農民だけじゃ無理だよね!
「そっちは何が出た?」
「北班こちらは黒い亀だ。南班そっちは?」
「不死鳥だよ。無理ゲーだろこんなの。」
「東班は炎を吐く青い龍」
「西班。こちらは雷を纏った白い虎みたいな
敵だった」
「あれだ。えーと多分四神ってやつだ。誰か古代中国史に詳しい奴呼べぇ」
「すいません、方角くらいしかわかりません」
「お前には聞いてねえよ」
パシッといい音がなる。手にはハリセン?なぜハリセン?!
「うわっ親にも打たれたことないのに」
「そのセリフ言ったやつ初めて見たよ!」
慌ただしく攻略組が活動を再開した。
ま、今がチャンスだよね。
フレンドチャットを開いて狩りの開始の合図を送る。
俺たちはあとこのばを撹乱させるだけでいい。
「そういえばNPCに頼めば一緒に戦ってくれますよ?」
「どうしてそれを早く言わない!冒険者ギルドの長とあと掲示板の弓使い、あと鍛冶ギルドの長と魔術ギルドの長探し出して協力してもらえ、わかったかッ」
「了解」
「了解」
「了解」
さてあいつらちゃんとやってるかな……ポーションだけ送って、ログアウトっと。
俺はいても何もできないからね。そのうち装備を作ったりして支えてやりたいもんだなぁ。
自分が何もできないのが悔しいけど戦いに行ってもあの農民みたいになるだけだし。
俺の初めてのイベントは消化不良に終わるのだった。
……生産イベントはよっ!
想像してください。
ガチムチに鍛えたハゲたおっさん達が
クワかハンマー持って、門に一斉に走っていく様を。




