動かぬ戦線、動き始めた戦場
学校が始まると思うとストレスがたまります。
なので筆が進む!
ストレスとノリが原動力なので不定期更新なのは許していただきたい。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
帝国軍は首都だけで全体で大体30万人兵がいるつもりです。トンデモ軍事国家です。
銃声が鳴り響く。硝煙と土煙が辺りを覆い時折ミサイルが空中で爆発し、兵士が一人一人と撃ち抜かれては悲鳴をあげる。
兵力差は約3倍……しかしそのほとんどは帝国軍からのものであった。
「第1前へ!第6は左方へ回れ!第4は第6の援護!医療班!第1小隊の後方へ移動!第2第3は医療班の警護!第8は何をやってる!第7は拠点を完成させろ!」
「撃て!」「リロードっ!」
「カバー!」「制圧頼む!……進むぞ!」
「クリアっ」「クリア」「クリア」「『バババ……』……クリア」
防衛側の一部には本職の方達がいるせいで帝国軍は侵略するどころか、返り討ちにあっていた。
そして簡易的だったはずの塹壕は1日経つとそれなりの陣地に4日たった今では簡易的な砦と呼べる代物となっており帝国軍の侵略を阻んでいた。
さらに入り組んだ塹壕と高く積み上げた土壁や石壁によって常時吹き荒れる風。夜になれば霧が立ち込めそれは昼過ぎまで消えることはない。
近くの川の水を使った水攻めやら泥沼、落とし穴も設置されており、砦単体ではなく周りの環境全てを鑑みるならばそれは城塞といっても過言ではないものになっていた。
ちなみに主に3種類ある侵攻ルートの中央であり、これらの要因もあってここを帝国軍が破ることはもはや容易ではなくなっていた。
「だ、第7小隊が!」
「第7がどうした!」
「土木業の人達が本気を出していて拠点構築に関われていません!」
その頃の拠点では
「すいませんここに銃座を……」
「そんなもんはとっくに設置済みだ!くだらねえこと言ってねぇでさっさと前に行け!」
「ひぃっ!すいません!」
「親方!対空機関砲はどこに設置しますか!」
「あそこにもう設置してあるだろうが!」
「遊び心でカモフラージュ率の高いペイントをするのはやめていただきたい……」
そして前線の司令官は叫ぶ。
「ならば前線に送り出せ!」
未だに3倍以上の軍勢を前にして魔王軍は寡兵。
人数はあればあるだけ欲しいものなのだ。
ちなみにそれとは別で【我が死闘】が大暴れしている。
中央ルート『中央平原』
魔王軍、プレイヤー200人と現地民(NPC)約3000人。
負傷者、約300名
死者0
それに対する帝国軍。
プレイヤー460人と現地民(NPC)約88000人、さらに補給部隊約30000人。
負傷、多数。死者、小数。
なお、魔王軍の練度は高く、トマホークミサイル(モドキ)をロケットランチャー(魔法付与済み『威力増加』)で撃墜するような人物がいる模様。
しかし、着実に魔王軍の負傷兵は増えつつあり戦況は少しづつではあるが帝国軍に傾いていく。
ちなみに塹壕や落とし穴など土木全般を請け負っているNPCの名は『コーメイ』。
多数の罠を警戒し、帝国軍の進軍スピードがかなり落ちている。
続いて東ルート。
こちらは崖上からの防衛。魔王軍のNPC達は崖上から爆弾を落としたり射撃をしたりと牽制を続け、たまに大きめの魔術を放つ。
帝国軍は唯一の侵攻ルートである谷の中を進むしかない。
ただ……そこは霧の谷と呼ばれる魔境であった。
そしてそこに居座っているのは……レッドプレイヤーとして名を馳せ、ハッチャケまくった挙げ句の果てに、タローにヤラレちゃったプレイヤーキラーどもだ。
彼らに霧は関係ない。もともとアジトにしていたくらいだ。
そして彼らの持つ銃にはサウンドサプレッサーが装着されていた。
ちなみにジメッとしてしかも薄暗いので帝国軍のプレイヤーはほとんど西ルートに流れている。
また1人、NPCが撃ち抜かれ生き絶える。ロストはしない。これが15禁である理由だ。(注:この世界では大規模な法改正が行われ成人が15歳からとなっています)
レッドプレイヤー達はその死体を一箇所に集め壁のように積み上げる。
その設置場所は比較的霧が薄くなりやすい場所。
丁寧に敵の進軍方向からはよく顔が見えるように壁として機能するように土もはさみながら積み上げる。その死体達は遮るものが少ない谷底にある、遮蔽物の一つとなっていた。
「流石に同じ釜の飯を食った奴の顔には引き金を引きづらいよなぁ?」
聞こえない銃声、落ちる薬莢の音、ナニカを引きずる音が鳴りグチャとナニカ液体がぶちまけられると遮蔽物のサイズがまた増えた。
そこでは数多の顔が目を見開き、侵略者達を恨めしそうに見続けている。
東ルート『霧の谷』
魔王軍
プレイヤー100名(内訳、健全なPK50人、若干のイカレPK50人)、現地民約1500名。
狂気を目の当たりにして移動、約1500名
帝国軍
プレイヤー3人(内訳、迷子1人、治療不可のバトルジャンキー2人)
現地民約8900人。補給部隊約30000人(内、食料や火薬など湿気を嫌うものは谷の外にて待機中。)
狂気を目の当たりにして逃走、約500人。
壁になっているもの約500名。
行方不明者約100名。
東ルートでは全くの被害を出さない魔王軍。
それどころか狂気を目の当たりにした兵士たちの正気度を削り、怯えた隙を刈り取っていく。
しかし味方のNPCまで怯えさせてしまい数の差は開いていく。ただ帝国軍はここへの侵略を躊躇うだろう。
西ルート。
場所は平地。帝国軍の数は15000人程、補給は30000人程いる。プレイヤーも500人程おり勝利は確実かと思われた。
対する魔王軍。数は3000人程とどこからか駆けつけた1500人程の援軍を合わせ4500人程。プレイヤーは100人程度でそのほとんどが【民の味方】で、それ以外はクセの強いプレイヤーだ。
さてその両軍であるがどちらも4日動かない。
ずっと睨み合いを続けているのだ。
散発的に矢が飛んだりするが銃があるのに矢を使う人などいるわけがない。ただ帝国軍は何かを待っていた。この西ルートを率いるのは帝国の王子である。
彼はその戦線を少しずつではあるが帝国側にずらしていた。
包囲されることを危惧した魔王軍はこれを追撃せず防衛陣地を築く。
西ルートから中央ルートに行くには川を渡り、傾斜がきつい1000メートル程の山を登らねばならないのだが、その山の頂上付近にも防衛陣地を魔王軍は作っている最中であるため人が少ないのも魔王軍が進まない理由の一つである。
一番の理由はぶつかっても絶対に勝てないからというものであるが。
そしてゲーム内でさらに5日が経過する。
夜明けと同時に中央ルートの帝国軍に援軍、8万人が到着した。
そして東ルートのほとんどの帝国兵が中央ルート方角に向かって移動し始め、それとほぼ同時に西ルートに8万人程の援軍が到着する。
帝国軍が……いや、帝国が本気で魔王国を潰しにきたのだ。
ユウ達の出番がそろそろきます。
中央ルート……コーメイさんの活躍により帝国の進軍スピードが減少、それによって援軍の到着が2日遅れました。またコーメイの罠で負傷者が沢山出たため戦意と士気が下がりつつあります。また負傷者が多いにもかかわらず死者が少ないため士気が上がりません。
チーフ達の誰かがお遊びで作った
NPC『コーメイ』
スキル
軍略 B+(本来の職業でないためマイナス補正)
陣地作成 EX
罠作成 A
・
・
etc…
お察しの通りの方がモチーフとなっております。
ーーーーーーーーーーーーー
軍事なんてよくわからないので全部妄想です。
なんかカッコいい感じに描きたいけどコレジャナイ感……