区切りと簡単な世界観
25~26話です
さてと笑顔のニコルに一通り俺のことを話す、とりあえず爺さんにいきなり剣の材料にされたところから、異世界から来たことはって?剣の材料にされたことでもぶっ飛んでるのに材料が異世界人とかなんかおまけでもいらないかなって思わない?というか証明するすべがないから言っても無駄無駄!
「ということはレッド兄さんは元々人族で錬金術師のジーサンさんに現在の剣、正式には錬成魔剣ファルシオンの材料にされた後に、件の錬金術師に報復した後に剣の能力で空を飛んでこの島に着いた・・・ということですね?」
と ニコルがまとめる、成る程成る程俺はずいぶん胡散臭い奴かってことが客観的にまとめてもらうと分かるな。
「ということはその姿以前の名前がブレドで剣の名前を取って家名をファルシオンと名乗っていたんですね?」
と 聞かれたので適当に答えてみる・・・また変な行き違いが起きなきゃいいけどね。
「いや、元々の名前は知らないんだ・・・剣にされた直前の記憶はあるんだがその前ってなると思いだせないっていうか思い出すのを拒否している感じがするんだよな・・・無理するとよくないことが起きそうなんだ」
うん、なんかすらすら嘘が出る自分の口じゃないからか言いたい放題だ。
「そうなんですか・・・でしたら一般的な知識なんかも欠落されているのでしょうか?」
おお!鋭いなニコルしっかり者で兄さんうれしいよ・・・いろいろ面倒ごとはニコルにパスすることにしよう、うん、そうしよう。
「そうだな、ある程度は大丈夫みたいなんだけど曖昧なところも多いのか、ところどころ間抜けなことをしてしまうだろうからニコル・・・この俺を兄としてしっかりサポートしてもらえないか?」
「はい!かしこまりましたレッド兄さん」
気持ちのいい返事をもらったのでこちらからも一つサプライズだ。
「んじゃ今からお前は俺の弟としてニコル・ファルシオンと名乗れ、それとも元の家名のほうがいいか?」
との俺の言葉に一瞬辺りが静かになる・・・また失言したかな?
だがニコルの顔をその表情を見て安心する
「いいのですか?僕はこう見えてスラム出身の卑しい身分ですよ?挙句奴隷として捕まり愛玩用にと貴族に売られたような人間です・・・同じ家名なんて恐れ多いですよ」
と言葉の最後の方でつらそうな顔をされたので少し強めに言葉をかける、
「気にするな誰が何と言おうが今、この時からお前は俺の弟ニコル・ファルシオンだ!そして俺はブレド・ファルシオン!お前に敬意をこめて兄と呼ばれるレッド兄さんだ!」
と俺は宣言する・・・そのあと気づいたのだがついでに「それとも俺が兄では不満か?」って言葉も言いたかったなぁあのセリフは言いたい極め台詞の上位に入ってたのに(脳内ランキング)・・・
「あ・・・ありがとうございます・・・こんな僕をっグスッ・・・ウッ!・・・家族として迎えて・・・くれっエグッ・・・くれるなんて・・・」
となぜか感極まったニコルが泣き始めた・・・なんで?
なんかトラウマでもあったんだろう・・・めんどいから触れないでおこう。
「ふむ、落ち着くまで待ってやってもいいが・・・ちょっとやることもあるから落ち着くまでそこで待っていろ・・・落ち着いても俺が帰ってくるまで待っていろ、いいな?」
と指示を出しておく、落ち着いて探しに来られて行き違いとかそれこそ時間の無駄だ。
「グスッ、ウウッ!分かりっましたっヒック」
ふむ、兄弟なのに言葉遣いか硬い気がしてきたけど・・・キャラ付け的にこれでいいかな?ニコルは真面目!っで通そう。
「んじゃちょい行ってくる、昨日の今日で疲れてるだろうから疲れを取る意味でもゆっくりしていろ」
とニコルに言い聞かせてその場を離れる。
森にて。
「このくらいでいいかな?」
大量の倒木となった木を前に俺ことブレドがつぶやく、雑に切り倒したせいかイメージしていた材木という感じには程遠いのだが。
「まぁ重要なのは素材になるかだし見た目なんかどうでもいいか」
と呟くが早いか足もとに転がっている倒木たちに魔術を放つ、もちろんあれだ。
「”クリエイトゴーレム”」
イメージは船・・・に手足がついてるやつ、そうこの島から出るのにゴーレムを使おうと思ったのだ。
うまくイメージ通りにできたと興奮していたのだが・・・この船のイメージ元がよく考えたら港にあるのを思い出して船を材料にしてゴーレム造ればよかったと気づいたのは別の話。
港にて。
「落ちつたみたいだな?それじゃあこの島から出るためにいろいろ準備をしようと思うんだが、ニコル行先はどこがいいと思う?」
まぁ海賊の知識なんかがあるから船旅自体は大丈夫だろう、俺作のセーラーゴーレムもいるし。
「そうですね・・・でしたらレッド兄さんが剣にされた錬金術師の研究所というところに行ってみたいですね、何か有用なものもあると思いますし」
なるほど、確かにあそこには便利なものが多くあるな、爺さん作の発明品の数々がむやみやたらに転がってるし、俺なら勝手知ったる爺さんの記憶も持ってるし迷うこともないだろう。
「ということは中央大陸ハーモニアに行くことになるがそれでいいな?」
「はい、それで行きましょう!」
「んじゃあ目指すは西のハーモニア!準備ができ次第出発だ!・・・ん?違うな?準備ができ次第出港だ!」
というわけで準備が完了して出発しようとしたが日が傾いてきたため明日の朝に出こうすることにした・・・。
俺たちの旅はこれからだ!
さて、俺がこの世界に来てから怒涛の数日(?)が過ぎたところで一応一区切りってことになる。
そこで今日はこの世界についての説明をしようと思う。
まぁ歴史なんかはリゾートで適当に流したからいいとして、まずはこの世界の土地事情の話にしよう。
とりあえずこの世界に現在あるとされている大陸は5つ、というのも現在のこの世界はいまだに人の手で開拓されていない場所が多いかららしい、怪しい話ではあるが爺さん情報だからまぁ話半分だな(?)。
最初は俺が召喚されて剣の材料にされた中央大陸ハーモニア。
名前からもわかるようにこの世界の中央にあるとされている大陸でその理由としてはかつて世界が境界と呼ばれる壁に隔たれていた時にその境界からゲートが出現した大陸がこのハーモニアで境界崩壊の世界融合時に隣界の大陸とくっつきその面積が倍になり二つの世界の接点として中央大陸と呼ばれているらしい。
そのため多種多様な動物、魔物、人種などが多いがとある理由からこの大陸にはあの爺さんやニコルのようなヒューマン種が多いらしい。
そうそう人種といえばこの世界には様々な人種があり、まずは割と短命である為繁殖などのサイクルが早くその適応力や応用力、どんな種族とも交わり子をなすことのできる為に数が無駄に多いヒューマン、ちなみに人族と呼ぶのは特権階級にいるヒューマン種が他の種族に対して自分たちは特別であると見栄を張って言う言葉なのであまりいい言葉ではない(ニコルはまわりにいた人間が貴族やそれに応対するような商人だった為人族という言葉がとっさに出たりする)。
次に寿命に関してはヒューマンと変わらない種が多く様々な動物などの特徴をもって生まれるビースト種、ビースト種はその身体的特徴が環境にあっている地域に住むという特性のために特定の種類のビースト種はめったに見られないものも多いらしい、でもビースト種としての分布だけならヒューマンより多かったりする。
今度は戦闘能力が他の種族と一線を越えるといわれるドラゴニュート種その身体的特徴は天を突くような角が生えておいて、その身に宿る魔力など身体的に優秀な個体ほど頭部に生えた角が枝のように広がるらしい、ついでに背中に羽がある・・・人一人飛ぶのに必要な浮力を得られるほどはないだろうけど飛べるって話だから魔力的ななにかで補助でもしてるんだろうね、あっ口から種族に応じた”ブレス”って攻撃ができるんだってさ怖いね~くしゃみとか咳とかで暴発しないかな?
話がそれ気味だが次も山の住民にあたるがこっちは外じゃなく中、見た目はヒューマン種の子供くらいの大きさで成長は止まり代わりに筋肉がすごくつく、大人は基本ひげ面でそのひげ面は彼らのポリシーらしい、そうドワーフ種だ、因みに森にいてひげを伸ばさないホビット族もドワーフ種らしい、まぁこの世界ではね。
ちなみにドラゴニュートとドワーフが基本的に多く住んでいるのが東大陸サガックチで東大陸の特徴として大陸のまさに半分が険しい山脈であるそのために高地で暮らすドラゴニュートや坑道にドワーフなどが多く住む・・・ちなみにこの大陸は世界融合時にマルっと現れたとされている。
また、強力な魔物やデモン種と呼ばれる者たちが多く暮らす北に行けば行くほど生き物の住処のなくなる極寒の地を持つ北大陸サームスギも世界融合の時に出現した大陸である。
この大陸の環境はだいぶ特殊で厳しいが昔のいざこざなんかで身体的特徴が魔物寄りに見えるデモン種の者たちが半ば追いやられる形で住んでいる、デモン種もビーストと似ていながら様々な魔物の特徴を持っていたため迫害されているらしい。
それから南にある大陸ムシアーツには広大な熱帯雨林が存在しており主にビースト種が住んでいる、ここは世界融合前から存在していた大陸らしい。
次の大陸も世界融合前からあったそうだが、名前は西大陸となっているが位置的にはムシアーツの西側中央大陸の南にあるこの世界で最も住みやすいとされている大陸、大陸の中で一番小さい豊穣の大陸ユータカ、ここにはフェアリー種と呼ばれる者たちエルフ種と呼ばれる者たちがいるが、よくまとめて妖精種と呼ばれているのでごっちゃになりやすいそうだ。
ここまでの説明でもわかるようにどうも大陸の名前に日本人の・・・その、なんていうか俺の主観的に言うと大陸の名前が安易すぎて若干悪意がこもってる気がするんだが実はこれにも理由があったりするらしい。
その理由とは・・・まぁそれを話す前にこの世界のよくわかんない仕組みから説明しよう。
実はこの世界は定期的に魔王と呼ばれる奴が湧くらしい大体200年サイクルで、 んでその都度、勇者召喚で魔王を撃退または討伐をしていたんだと、因みに撃退の場合は勇者は死んじゃうんだってあんまりだね!んで代わりを召喚してそいつに倒させるんだとさ、うんっあんまりだね!
しかも魔王倒しても元の世界に帰る方法もないらしく、歴代の勇者たちは帰る方法を探して無駄に開拓してしまった大陸にその鬱憤をぶつけつつ、つけた名前が今のハーモニア以外の大陸の名前となる・・・。
ひどい世界に来ちまった気がするぜ!まぁ帰る気はさらさらなかったがな!ましてや今の俺の体は無機物だし!
さて大体大まかに大陸なんかの説明したけど・・・あとは少し大きな島国とか今は見つかってない大陸とかだろうからそのうちに絡むようなら説明を加えることにするよ、それじゃ俺の英雄譚(?)をよろしくね!
誤字脱字があったら優しく教えてくれたら幸いです