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最終話 幸多からんことを祈って

最終話。

 運命って何だろう。


 『二ホン』にあるコウジエンで調べた結果。


 人間の意思にかかわりなく、身の上にめぐって来る吉凶禍福。それをもたらす人間の力を超えた作用。人生は天の命によって支配されているという思想に基づく。めぐりあわせ。転じて、将来のなりゆき。


 …という意味らしい。

 僕の場合は、里紗が正しく運命だったのだろう。


 最初に生まれた神は、無からできた。

 一人いることに寂しさを覚えた最初の神が、自身の一部を削って半身を作り、今のように増えていき、もっともっと増えて賑やかになればいいと願った末に生まれたのが生物、と言われている。

 生物は賑やかになればいいと願われた末に出来たから、魂が擦り切れるまで輪廻転生の輪を廻り続ける。

 そして、擦り切れた魂が集まってまた一つ新しい魂が生まれる。


 それらの輪を守り続けるのが僕等神の仕事。


 ちなみに、最初の神は気まぐれに起き、気まぐれに寝て、という生活をしている。世界の管理はしていない。

 理が最初の神を作り出したとかも言われているけれど、それらの真偽ははっきりしていない。




 里紗が死んで早一年。

 里紗に出会うまで感じたことのなかった寂しさが募るけれど……いつかはまた会えるのだからと思うようになった。

 今の僕は、仕事を行く前に里紗の魂を見つけ、仕事を終えてからまた里紗の魂を見つけるという日々を繰り返している。


 早く会いたい。


 そして、守りたい。


 二度と後悔しないために、そして二度と悲しませないために。




 これが、僕と里紗の出会いと別れ。



 里紗。

 君に、幸多からんことを祈って。



お読みいただきありがとうございました。


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