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バラの香りと召喚の夢

目の前には映画のセットのような背景。

ヨーロッパテイストの、例えばRPGの謁見の間。

薄い緑の窓からは、キラキラと光が落ちてくる。

呆然としていると肩に何かを掛けられた。

ゆっくりとそちらを向くと深緑のドレスに真っ白なエプロンというコスチュームに身を包んだ「メイドさん」がいた。

「大丈夫ですか? どうか、こちらにお越しください」


私は意識を手放した。





「ハイ。みーつけた」

軽く高い声。

灰色の髪のほっそりした男の子がそこにいた。

「だれ?」

「……が気にしてるから探したんだけど、厄介な場所にいるよねー」

一人納得顏で男の子は頷く。

気にしているという相手の名前は聞こえない。

「ま、最低限より少しましという程度には生き延びやすいように特典プレゼントー。上手に活用して頑張って楽しむといいよ」





目を開けると、大きな緑のガラス玉が見えた。

「……」

長く量の多いまつげに囲まれたガラス玉のような目だった。

「いい匂い」

子供独特の甲高めの声。

ガラス玉がまつげと皮膚に覆い隠される。


匂い。

たぶん

「ミルキィローズの匂いだよ」

香り高いバラのバスキューブ。

「みるきぃろーず。いい匂いね。素敵だと思うの」

子供はゆっくりした動きで私から離れる。

距離ができてなんとなく一息吐く。

密着接近は少し苦手。

「私はミスビアンカ。このエルリアーナ国で文官をしているの。よろしくね」

子供が文官?

「ミルキィローズ」




ぇ?



「どうかした? ミルキィローズ」

ミスビアンカと名乗った少女。

波打つ金髪に大きな緑の瞳。雪のように白い肌。唇はサクランボのように赤い。

ネイビーのシンプルなワンピースに黒のレースエプロン。胸元には臙脂色のリボンタイ。

ゴスロリほどではないが、ろりっぽい。

そんな装いの似合う彼女は間違いなく美少女だ。

美少女の口からこぼれた言葉が意味するところは……



まって!


ミルキィローズは私の名前じゃない!!





ミルキィローズは運命の調べ

回る運命

あなたの名前はミルキィローズ

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