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Bullet Returner~遺産回収部隊~  作者: ライオット
第二章 魔都戦乱
31/35

第十三話 Coll or cthulhu



背表紙的まえがき





立華「かわいい女の子だと思った?」


立華「残念!涼香ちゃんでした!!」


立華「だから立ち去りなさいこの変態!変態!!ド変態ーーーーーー!!」




真っ赤になりながら言う涼香ちゃんは可愛いと思います。




一発の弾丸が放たれる。


それはノベスキーN4の機関部を撃ち抜き、粉々に破壊する。


何があったのか訳の分からない和彦と劉。


射線上には痛む左腕で堅いストレートプルのボルトをコッキングをする立華がいた。


「…委員長?」


グリップだけになったN4を足場に落とし、目を丸くした。


一方の劉は呆れたように笑いが込み上げて尻餅をついてしまう。


「…ハッハッハ…これは…傑作だ」


それに反応した和彦は懐に手を当て、探り始めるが、出てくるのは菓子やらメモ帳やら今では全く頼りない物が出てくる。


「チッ!クソッ!?」


「…今回は…彼女に救われたようだね」


「っんだと!!」


「彼女に感謝するべきだ。何せ、"傭兵は復讐をしてはならない"と言うことわざがあるのだから…」


そう言ってから立ち上がり、足場から数歩歩き出し、そのまま地上へと落ちていった。


慌てて劉の動向を見ると、どうやら服を分解させ、パラシュートの様な物を作り、上海の吹き付ける風を闊歩していった。


「……ハッ…」


何処までも追い続ける決意をしたが、投身自殺するほど狂ってはいない。

鼻を鳴らし、ドッと今までの疲れが押し押せ、その場を仰向けに倒れた。


どうやらコンバットハイと呼ばれる心理学上、戦闘中の人間にある気分の高まりが原因で筋肉内の乳酸の溜まりを感じなくなる現象らしい。

全身の筋肉は痙攣のようなことが起こり、数日間は安静にしていなければならない。


無論、肉離れなどもコンバットハイによるアドレナリン分泌や脳内麻薬の一つ、エンドロフィンの多量分泌で、痛みが感じなかっただけ。

今の和彦は酷使した格闘家と一緒である。


「…チクショー…」


全身から悲鳴の様な物が響き、死にそうなくらい鼓動が早く鳴らしている。


仕方がなしに散らばっている荷物から冷蔵庫から出し立てと言わんばかりに冷えたスポーツ飲料とミネラルウォーターを手にしてスポーツ飲料を一気に飲み干した。



喉が鳴り、空になったペットボトルを投げ捨て、ミネラルウォーターの方を頭から冷やすようにぶちまける。


熱暴走をしているような熱気を頭から上げ、目を閉じる。



そしてすぐに、向こう側から足音が響き、和彦は薄く目を開けて、その人物を見た。


「……生きてる?」


立華であった。


手には蒼鬼謹製のワイヤーガンが握られており、どうやらそれで降りてきたようだ。


和彦はその視線を変え、一言ぼそりと呟いた。


「…今日は白のひらひらか。確かに縞縞じゃ露骨過ぎるしな」


「どうして分かった!?」


「マジで!?スパッツから見えないから!!」


「フンッ!!」


「ギャフン!!」


ヒールの踵が和彦の眉間に突き刺さる。


ゴロゴロと左右に転がり、痛みの度合いを示す中、立華はムスッと憤慨の表情で腕を組む。


「…全く、心配して損した…」


「…委員長、ありがとうさん」


「へっ?」


突然のことに驚く立華に和彦は手で顔を伏せながら言葉を続ける。


「委員長は…どうして俺の銃を?」


「……宮本君が言っていたじゃない。PMCの心得、"傭兵は復讐をしてはならない。されど、それが世を乱すならば冷徹の弾丸をもって止めよ"…ってね」


「…そうか…」


上体を起こし、溜め息混じりに呟く。


立華は和彦の前に座り、両手を後頭部に回し、そっと抱き寄せた。

和彦は静かにそれを受け入れる。


「………」


「もう…肩の荷は降りたかな?」


「……多分」


「…そうなんだ」


力無く答えているあたり、もう心配しなくとも良さそうだ。


和彦はぼそりと漏らす。


「…妹が二人…両方俺が名前を付けたんだ…」


「…うん」


「…あの時、俺は三合会の連中に捕まったが、現場責任者劉がこんな取引をしたんだ…」

「…1から10の数字から一つ選んで、相手よりも強い数字だったら妹一人を助ける。しかし賭けるのは自分の指」


和彦が左手のグローブを脱ぎ、それを見せる。


「賭けたのは五回、指の第二関節を五寸釘で打ち抜かれたが…勝負には勝った…」


其処には生々しい傷痕の残る五本の指。それは大切な人を助けるために賭けた代償であった。


「…だが、結果はこうだ…姉は腹を切られ、中身は全部消えて…妹は陵辱されて昏睡状態…。成長もあの時から止まったまま…」


そんな代償も、あざ笑うかのように無意味であった。


「実際は薬中の奴らが勝手にやったことだと…。だが、俺は…」


顔をうつむき、改めてやり場の無い怒りと妹たちを失った悲しみが込み上げる。


涙がこぼれそうになると、抱きしめながら立華は呟くように。


「…私は…君が好き…」


「………」


「二宮君…ううん、和彦君。君を愛していいですか?」


優しく微笑みながら、静かに和彦に伝えると、両手を離し、顔を覗く。

そこには目元から涙を流す和彦の姿があった。


二人はそのまま顔を近づかせ、そのままお互いの口を寄せた。


その際、しとしとと雨が降り、二人はこう感じた。


「意外と甘酸っぱく無いのだなと…」


何故が、塩辛かった。





ふんぐるい むぐるうなふ…


夜の冷たい風に乗り、異質な寒気を感じる。


くとぅるふ るるいえ…


耳に囁く言葉は何かを呼び出すような…、気味が悪くなる。


うが=なぐる ふたぐん…。


徐々にその姿を…冒涜的な存在をマーカスは目の当たりにした。



「…なっ…何だ貴様!?」


頭部はタコのようにスキンヘッド、顎は触手にも見えるが、風でなびくため髭のようである。


身体は恐ろしく鋭い鱗がびっちりと覆い、黒光りを発する。


左腕は、機械のような金属の鱗に覆われているが、右腕だけは違う。

右腕は手の甲から肘まで切り裂かれたような傷から青白い光を発する金属となり、それが右手全体を占めている。


それはまさしく亜魔刀の刀身の素材である"アダマンタイト"であった。


「…有り得ぬ…まさか…そんな…」


マーカスは狼狽しながらも気絶している香奈多を盾に長剣の刃を首元に添えた。


「言葉が通じるなら!貴様の大事な物を人質とするぞ!」


生き残ることを考え、長剣の刃を引かんとする姿を見せる。


もしこれが話を聞かない狂人であったなら、既に死んでいるだろう。

しかし、相手は依然と動く気配が無く、何も仕掛けることはしない。


マーカスはゆっくりと後ずさりしながら、逃げれるようにする。


そんな情けない姿を見た怪物は首を鳴らすように頭を動かし。


竜の顔のような口を開き、雄叫びを上げた。


「ガァァァァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」


次の瞬間、アスファルトの地面を怪獣のような足で踏み込み、異様に大きな蝙蝠の羽根を羽ばたかせ。


一瞬の速さでマーカスの両腕を折り、長剣を滅ぼし、左ストレートで顎を狙って殴り飛ばした。


「フギァァァ!?」


吹き飛ばされたのは三キロ先の魚肉加工工場。

幾多の資材を薙ぎ倒し、加工品を入れる大型冷蔵庫の分厚い扉にめり込み、ミンチにされた魚肉が身体中を塗りたくった。


怪物は倒れそうになる香奈多をそっと抱き止め、近くの壁に寄りかからせる。


彼はぼそりと何かを呟き、立ち上がった。

「…ガハッ…くっ…グゾォォォ…」


最早顎が砕かれ、閉められなくなった口から憤慨の気持ちを垂れ流す。


瞬時にやってきた怪物はゆっくりと奥に向かい、マーカスにトドメを刺そうとした。


しかし、冷蔵庫の奥には人の形にめり込んだ冷蔵庫のドアのみ。


マーカスは後ろから冷凍庫で冷やし固められた巨大な氷を振りかぶり、怪物の頭を殴打。

よろめいた瞬間、マーカスは怪物の顔面を往復するように殴りつけ、勝利を掴んだと。


勘違いしていた。


「…あれ?」


何かの異変に気が付いたマーカスは手を見てみると、両手の指が一本一本有らぬ方向に折れ曲がっていた。


「ひっ…ヒャァァァァアアア!?」


叫び声を上げ、その場に転げ回る。


一方の怪物はゴキンッと首を鳴らし、何か諦めたような表情でマーカスを一瞥した後、左手の指を一本一本ゆっくりと曲げ、握り拳を造ってから。


マーカスの腹を殴り、アッパーカットの要領で天井を突き破っていく。


最早声の出せないマーカスは、口を限界まで開いている。

そして怪物はマーカスの頭を右手で掴み、羽根を羽ばたかせ、上昇していった。





飛び出したのは宇宙空間。


流石に上位種と言ったところか、一つ一つの細胞が壊れようとも、摩擦熱で焼かれようとも一応の生命活動をしており、怪物は最後の最後と言わんばかりに口を開き、問答不可能のマーカスに語りかけた。


「…自己紹介をしよう…我が名はクトゥルフ…アルヴァンディアの旧支配者であり、"宮本真之助"のもう一つの魂でもある」



「貴様の敗因は簡単だ。貴様は俺を"怒らせた"…」


怒りを込めると、一応の意思がハッキリしているのか、びくりと動かし、脅える。


クトゥルフは笑みを浮かべ、更に話を続ける。


「貴様はもう…死ぬしかないな。最後に言うことはあるか?」


そんな情けをかけるが、そもそも口が凍って顎が開いたままのマーカスには問答は出来ない。

そして何分か経つと、クトゥルフは時間切れだと言い、地球に視線を向けると。


「気張れば死なないだろうな。我は気張って巨大戦艦を真っ二つにしてみたぞ」


全くスケールの違いを見せつけるクトゥルフ。


命乞いする口もないマーカスは己の死を回避しようとするが、それを許さないクトゥルフはマーカスを突き出すように前に出し、急加速して地球に向かう。





流星の如く飛び、大気圏を突破し、地表まで落ちようとする中、燃え盛る上海の街を静かに見据え、軌道を少しズラす。


そして、クトゥルフはマーカスだったものに「ジ・エンド」と呟き、上海の湾内に叩きつけた。





マーカスを叩きつけた瞬間、水しぶきは巨大なタワー程まで上がり、上海の街を海水の雨で覆い、燃え盛っていた炎は油火災で有ろうが科学火災で有ろうが、その水の量により、掻き消え去った。


マーカスは海底まで進み、己の肉体を滅ぼしていく。


クトゥルフは消えゆく者に何も言わず、そのまま立ち去っていった…。




クトゥルフが海から上がり、先程の港に辿り着く。


「…お帰りなさいです」


「………」


其処には沙耶が手に包帯を持ち、香奈多と凛湖の二人を手当している。

クトゥルフは頭をコリコリ掻いていると察したのか、特に慌てることなく、静かに口を開く。


「分かってます。お父さん」


「…分かってくれて幸いだ。このまま気付かれないのは悲しいからな」


やれやれと肩をすくませ、心境を語る。


「…母さんとこの人が起きる前に元に戻った方がいいですよ。」


「ああ、そうだな」


クトゥルフがそう言うと、身体を覆う皮膚が砂のように崩れ、ボロボロの服を着た真之助が現れる。


「元通り……とはいかないか」


姿は元に戻っているが、右腕は以前のまま。

青白く光る右手と、切り裂かれた傷、そして装甲のような黒い鱗に覆われた腕。


まさしく異形の右腕であった。


「…コイツは…どうすっか…」


「…切除は難しいようですね…」


「切除!?まさかの切除をするのかよ!?」


「いっそのこと某天才錬金術師みたいに機械駆動の義手にしたらどうでしょう?」


「いやいや、其処までして切りたくない!!ってその手に持つ回転ノコギリ君は何かな?マジで動かさないでよチクショー!!」


「まあ、それは冗談です」


そう言って回転ノコギリを何処かにしまう。

相も変わらずのセメント具合の少女に、真之助は頭が禿散らかすかもしれない事を切実に考えてしまう。

そんな心配をする真之助を面倒だな~と思いながら、思考を遮って、口を開いた。


「今後の事は家に帰ってから家族会議で話し合いましょう」


「家族会議か…冷戦の緊張感なんて小学生の言い合いにするくらいの…」


「最悪不味いことに…」


「ギャァァァアアア!?」


絶望にまみれ、転げ回る真之助。


これから起こる出来事を想像する真之助に対して、沙耶は壊れてしまったF-35Bのコックピットから軍用のリュックサックと側部に着けられたバックアップガンのグロック18Cシルバーフレームを拡張弾倉三つとPDW(個人防衛火器)のP90を持っていく。


準備完了した沙耶は早く起きろと言わんばかりに視線を送り、真之助は悲しみにくれながら、立ち上がる。


「とりあえず、お父さん」


「へいっす!」


「母さんと凛湖さんをお願いします」


「YESMa'am!」


「私が先行しますので」


「えっ…沙耶…それは不味いのでは…」


自分がポイントマン(此処ではポイントウーマン)を勤める宣言に真之助はしどろもどろになるが、それを無視し、P90を構えて近くのドアに向かう。


何だか不安がよぎるものの、手慣れたように足でドアを蹴破って進む姿に、疑問が浮かぶばかりである。


「早く行きますよ、何せ"爆撃"が始まりますから」


「へいへい……えっ?」


何の事やら疑問に思う真之助、沙耶はそう言えばと思い出すと、要約して答えた。


「米軍の通信を傍受してみたら、もう皇国陸軍は抑えられなくなって沖縄からスピリットが二機ほど発進したそうです」


「…すっ…スピリットだと!?」


スピリット、それはコードネームであり、正式名称B2スピリットと呼ばれ、分類では戦略爆撃機。


流線型のフォルムで、ステルスの機能を誇る。更に核兵器を搭載可能な上、空対地ミサイルや爆撃兵装を備えられる。


但し一機20億ドル(1ドル100円とすれば2000億円)と、高額であり、維持費(流線型を保つ為の研ぎなど…)も更に掛かるとのこと。


そのため、普通ならば使われることは無い筈。


「…そこまで業を煮やしてたか…彼方さんは短気だな」


「どちらにせよ、早くしないとこの一帯、火の海でこんがりと」


「それはお断りだ!!」


一行は急ぐことにする。


沙耶はドアに入り、通路と思われる場所を確認しながら歩を進める。


確認のスピードもさながら、その正確さも熟練の兵士と言ってもおかしくない。



建物から、少しひらけた通りに出ると、通りの向こう側を見てから、静かに手で止めるように伸ばし、真之助はゆっくりとその様子を伺う。


居たのは構成員達。


相変わらず京劇の面をしており、手にはAKS-74など東側の銃器が目立つ。


沙耶は上のネオンを一瞥し、近くの箱にP90をバイボット代わりに置いてから狙いを定め、セミオートで三発撃った。


「什的声音?(何だ今の音は?)」


「事家有疑的地方?(まだ何処かに軍の連中が居るんだろ?)」


一人が感づきそうになるが、もう一人が気のせいだと言って、終わる。


次の瞬間、二人の頭上に吊られたネオンの留め具が壊れ、重力に乗って落ち、二人をグシャグシャに潰した。


「………」


「……good!」


(この子100㎡先のネオンをPDWで撃っただと!?)


ライフルクラスの射程距離を短機関銃のカテゴリーに入るP90で狙い撃つ事が出来るのはゲームの中だけ。

よほど何らかの改造を施されてなければ不可能である。


しかし、聞くのが怖い真之助は何も言わず、向こう側に歩き、再び脱出を開始する。






AM4:00(真之助達行動中)


沖縄普天間飛行場


米国USMC(海兵隊)、Force Recon


英語の文書に黒の油性マジックで文章を塗り潰す。


『此方スピリットアルファ、これよりポイント2838にてスピアーの使用申請を願います』


機密事項はほぼ消され、作戦はブラックオプス(存在しない任務)となる。


『スピアーの使用は最終レベル以外では認められない。ナパームボムで薙払え』


『Yes Sir』


B2爆撃機のパイロットは管制官に敬礼し、滑走路を走り出す。




『…しかし、我が軍の生物兵器が盗まれるとはな…』


司令室の少将は腕を組み、額に汗を帯び、事の事態をどう収拾をつけるべきか悩んでいた。


『これは我々海兵隊の管轄ではありません。奴らラングレーの機密漏れは明らかです』


『だが、一時期この普天間内での実験も為されている。それからでも咎める奴らだぞ!』


『ならば日本政府にも言えますぞ!国防省もこの計画に関与しています』


『この国が認めると思うかね!?』



モニター上にいる各国の駐留軍として散らばる将官達は自分の椅子にしがみつくことしか考えていなかった。


其処で、一人の男がほくそ笑み、一つ有ることを呟いた。


『御心配無さらなくとも。私の提案に乗っていただければ…この存在を無かったことに出来ますよ』


その男はトレードマークと言うべき黒のサングラスを整え、余裕の態度でいすに座り直す。

将官達はその言葉に信用性が若干足りないものの、優雅にたち振る舞う姿にある種の説得力を感じた。


『…出来るのかね、ウェーラー卿』


一人の将官が、爵位を持つ者の敬称で呼ぶと、ほくそ笑みを崩さず、更に言葉を続ける。


『我々フリーメイソンの魔術と現代科学の融合によって出来上がった新兵器。【架空元素・虚数・天の火】を御使用下さい。現存の戦術核を超え、放射性元素や有害物質による汚染は一切無い、純粋エネルギーの兵器です』


そう言いながら、手元のPDAで操作をし、各将官のモニターに資料を映していく。


『核よりも強い反物質よりも手頃…いや、核よりも手頃に使うことの出来るのです』


『しっ…しかし、これは戦術機に搭載可能なのかね?』


『ご心配なく、ICBM(大陸弾道ミサイル)にも、F-16の誘導ミサイルにも搭載可能です。是非ともお使いなさって下さい』


ウェーラーは柔和に、親切に問いかけを答えていく。

将官達は次々とウェーラーの術中に嵌り、架空元素・虚数・天の火を許可するサインを書いていく。


一人、少将は棄権と紙に書き、ウェーラーが少し驚きの表情を浮かべるが、すぐに元の顔に戻り、会議は終了した。





錆び付いたドアの蝶番が外れ、音を立てて倒れる。


先行の沙耶は素早くクリアリングを行い、安全を確かめる。


妙に静かな通りは、かつての昭和40年代を思わせる活気有る街に風情を感じさせるものは無かった。


敵影なし。とハンドサインでドアの向こうにいる真之助に送ると、香奈多と凛湖を抱え、辺りを伺った。


「ハァ…此処等はよくパチモンブランドの売買市場だったな~」


「同時にスリで手に入れた金品や携帯端末などの貴重品を売っている所でもありますね」


「ああ、まぁ時にマジな逸品も売られてたりしてる。例えば彼処のカーディーラーショップ」


顎で示す方を沙耶は見てみると、其処はメルセデスベンツのディーラーショップがある。


真之助は心の中でワクワク感が止まらず、まるで童心(年齢的にはまだ成人でないが…)に返ったように強化ガラスの両開きドアを蹴破り、警備システムのサイレンを鳴らしながら店内に入っていった。


「ほおぉぉぉ…」


感激の表情を浮かべる真之助の前には、一台の乗用車がある。

それは、日本でも要人護衛などで使われるW221シリーズの一つ、S600 ロングのシルバーボディーが其処にあった。


「確かコレって、警視庁が導入してる車ですよね…」


「ああ…富裕層向けに防弾仕様だ」


「しかも右ハンドル」


「現在価格2060万円なり」


「わぉ…」


思わず驚愕になる沙耶。一旦二人を側に置き、真之助はキーのあるボックスを右手ワンパンチで壊し、S600 ロングの鍵を手に入れた。


「ふっふっふ…乗り回しちゃいましょう~」


上機嫌の真之助。


ロックボタンを押し、鍵が開くと、凛湖と香奈多を後部座席に寝せ、沙耶は助手席に乗り込む。


真之助は電子キーを差し込み口に挿入し、エンジンを掛けた。


「ウホッ…良い始動音…」


「それは破尻屋的な意味で?」


「カモン…let's go!」


ブレーキを押し、チェンジレバーをドライブに設定、そしてアクセルを吹かし、ガラスを突き破って走り出した。






背表紙的あとがき



沙耶「貴方方…酷いことをするおつもりでしょう?エロ同人みたいに…エロ同人みたいに!!」


変態「ヘッヘッヘッ…優しくするよ…理性が聞くところまでは!」




沙耶「死ね…変態、豚、発情犬…そこらの豚とファックしてろ…」


変態「ハッハッハ、ブヒー!私目は豚で御座います!ブヒー!」


沙耶「誰が人語喋れと言いましたかな?」


変態「ブヒッ!ブヒッブヒッ!ブヒー!(ああー!私めのケツ穴ほじくられてるーーーーーー)」



自分で書いててヤバいと思う…。



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