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Bullet Returner~遺産回収部隊~  作者: ライオット
第二章 魔都戦乱
26/35

第八話 All for revenge


背表紙的まえがき



テニス


ブル「…フンヌ!」スパンッ!


社長「ハァァァアアア!」スパンッ!


ブル「…喰らうがよい…八卦、金剛破砕球!」


真「出た!超人的テニス技!?」


和「あれ喰らって無事だった奴はいないぞ!?」


社長「…フッ…」




PM11:26


駅、ホーム内



「委員長が残存部隊の救援に行っただと!?」


最後の電車から兵士達が降り立つ中、龍将軍が和彦に対し、立華の所在を答えるとその言葉と共にコンクリート製の壁に殴りつけ、ヒビを入れた。


「…すまない。だが彼女の意志で」


「何がすまないだ!何故それを早くに言わなかった!?」


和彦が龍将軍の襟元を掴み、引っ張り上げる。

周りの兵士達が自動小銃を構えようとするが、龍将軍は左手をかざし、止めるように促され、兵士達は渋々銃口を下げる。


続けて龍将軍は口を開いた。


「…弁解の余地も無い。だがこれだけは…」


「………」


「彼女は私の部下を助けに行くことを強く志願した。それだけだ」


「………」


龍将軍の言葉に黙って手を離し、近くの座椅子に力無く座り込み、呟くように問いかける。


「……委員長は何処に?」


「…崑崙タワーだ。其処に敵の全戦力が投入されてる話だった」


毅然とした態度で龍将軍が語ると、和彦は数秒程動くことなく、口を開いた。


「…此処から東だな?」


「あっ…ああ」


「……悪かった」


そう言って和彦は早足でホームから出て、階段を上がっていった。


龍将軍は何かいやな予感を抱えながら、それを見守るしかない。





和彦がまず最初に向かったのは武器を収めたテント。

自分達がヘリに積んだ予備の武装が此処に収められており、和彦は追加装備を手にしていく。


装備はウェンチェスターM1887のソードオフ近代式モデル、ポリマーフレームを使用し、レーザーサイトも内蔵されている。


次にノベスキーN4、AR-15系のライフルで、全長が短機関銃程のため取り回しが良く軽いため室内戦にも対応可能。


他にもIMIマイクロウージーが二挺、ベレッタM93Rロングマガジン二挺、MP5K二挺など、マシンピストル類を多数手にする。


そしてあるボックスを開けると、マトリックスのネオが着るロングコートのような物があり、それを着込んだ。


「…行くぞ、劉・王染…」


一言呟いた後、テントから出てすぐに近くにあるバイクショップを発見。素早い足取りでバイクショップのドアを開け、一つのバイクに跨る。


ハーレーダビッドソンVRSCD。ハーレーダビッドソン初の水冷エンジンの大型自動二輪車であり、よく見れば改造処理がしてある。


和彦はカウンターの裏にあるキーをしまった南京錠付きの金庫に向かい、ウェンチェスターを撃ち放つ。

すると南京錠は粉々に砕け、金庫が開けられると、VRSCDの鍵を見つけ、シートに跨る。


「…すまんな、お前を復讐に使う。本当はレースの時に会いたかったぜ」


エンジンを撫でてから、キーを差し込み、始動させる。

マフラーから発せられる強烈な爆発音に加え、身体の芯を伝えるような轟きに若干心が震え、自然と笑みがこぼれる。


しかし、すぐに真剣な眼差しに変え、アクセルを絞り、窓を突き破って発進した。





ガラスは突き破られ、粉々になり、地面に叩きつけられる。

大型バイク特有のタイヤが地面のアスファルトに着くと後輪を90度回転させ、アクセルを噴かせる。


後輪タイヤが高速に回転し、アスファルトとの摩擦による煙が出る。

そして和彦は右足を地面から離し、ペダルに乗せ、走り出していく。





キャンプ群の近くにあるカフェで風魔と有村の二人は窓際の席に座り、待機していた。


カフェの店員は居らず、二人の前に用意されたコーヒーは壊されたレジにその値段分の小銭を置いてセルフサービスをしたものである。


有村は冷蔵庫を漁って見つけたチーズケーキを手で掴んで食べ、一方の風魔は優雅にフォークで少しずつ切って食べる。


「…もう少し行儀よく食べなよ」


「…うっせぇ…。手で食べた方が美味いだろ?」


「…育ちが露見するよ」


やや呆れ、熱いコーヒーを一啜りしてから外を見ると。


「……和?」


「ん?どうした?」


何事か、有村も様子を伺おうと立ち上がる。


「…其処で和がバイクで…」


そう言った瞬間、大型バイクが二人の目線を通り過ぎ、彼方へ走り去って行った。


「…ハーレーダビッドソンかよ。相変わらず良い単車だな…」


「そんな事言ってる場合じゃ無い!」


「おいおい!ちょっと待てよ!?」


風魔が素早く店内を出て行くのを追う有村。

二人は和彦が走っていった方向を見てからすぐにメンバーの元に向かう。





「…おいおい、マジかお…」


「ああ、オオマジだ」


「…ふむ…」


「………」


武器庫テント前にてやる夫、蒼鬼、ブル、浅間が二人に呼ばれ、集まっている。

那賀はぶっ続けで治療に当たって居たため睡眠を取っている。


「…それで、二宮殿は一体…」


「聞けば和は…崑崙タワーに向かっていったらしい。やる夫、場所は?」


「…此処から2~30㎞先の長寧区ちょうねいくのホテルと商社系の併合ビルで…一部屋一泊数十万がざらな上流階級だお」


「うわ…一生縁の無さそうな所だ…」


やる夫の情報を聞いた有村は顔を歪めて答える。

風魔は何とかするため彼にとある事を頼んだ。


「とにかくやる夫。"ノヴァ"と"シャロン"を使いたい。出来るか?」


「ノヴァとシャロン?EDIエディに頼むか~」


そう言ってノートパソコンを開き、カタカタとキーボードを叩く。

そして画面から「ACCESS完了」と表示されてから数秒後、ランスロットワンの上部ハッチが開かれ、二機のUAV(無人航空機)が現れた。


フォルムはグローバルホークに似ているが、VTOLシステムを搭載しているのか、両翼の端に可動式のジェットが取り付けられている。

二つのUAVはホバリングをしながらハッチからヘルファイアミサイルを四つを両翼に装着し、ブローニングM2 .50キャリバー機関銃を機体部に二門搭載する。



「ターミネーターのハンターキラーをモデルに製作した高度戦場AI搭載の無人航空機。ノヴァとシャロンだ」


「うわ…こんなもんも作ってたのか…」


「まぁ、米軍の払い下げで手に入れたんだけどね」


それでもな…と心の中で思う。


「…シャロンは真達を捜索。ノヴァは僕達と一緒に和を追ってくれ」


「ラジャー」


やる夫はキーを叩き、ノヴァとシャロンに指示を出す。

少しして風魔と有村のイヤホンマイクに凛とした女性の声が聞こえてきた。


『御起動、ありがとう御座います』


「ノヴァ、和のナビゲーション頼む」


『了解、探査開始します』


1と両翼に書かれたUAV「ノヴァ」は態勢を立て直し、和彦の向かっていった方角に傾けて飛んでいく。


それからすぐに風魔は有村と無言で頷き合い、ハイウェイを駆け出して行った。





町の中央を走る三車線道路をけたたましい爆音を鳴らし、VRSCDが駆け抜ける。


時速は約120㎞。メーターがその位置に針を置き、微弱に揺れる。


和彦は右手をグリップから離し、腰に手をかけると何処からかM1887を握り締めていた。


M1887の銃口を前に向け、何かが来ることを予測する。




現れたのは何台もの日本製のピックアップトラック。

荷台には簡易的な装甲板が貼られ、重機関銃のZID Kordが取り付けられている。


装甲板の隙間からAKS-74やRPK、RPG-7を持った構成員が和彦に向け、銃撃戦となる。


和彦は慌てること無くウェンチェスターの照準をトラックの前輪に定め、12ゲージのショットガンが火を噴いた。


「来了!?胎!(なっ!?タイヤが!)」

フレシェット弾仕様の散弾はゴムやホイールを貫き、車輪の機能を完全に破壊する。

そして前輪が失い、トラックが前のめりになると車が縦になり、荷台の構成員を放り投げられる。


「ア゛ア゛ア゛ア゛!」

「ギャァァァアアア!」


100㎞以上で走行していたため、トラックは鉄くずとなり、構成員達はアスファルトに叩きつけられた。


他の構成員達もすぐさま銃座や手持ちの銃器を構え、トリガーを引きっぱなしに撃ち放つ。


和彦はウェンチェスターのレバーを回しようにコッキングをし、照準を定め、銃座に向けて射撃をする。


「ガギャァ!?」


無数のフレシェットが頭部に入り込み、吹き飛ばす。

トリガーに指を掛けたままZID Kordの銃口は真下に向けられ、荷台を撃ち抜く。

12.7mmx108弾がガソリンタンクを突き破り、油圧ブレーキを破壊し、トラックは同じ末路を遂げていった。


「…二つ」


ウェンチェスターを回し、コッキングをしてから次々と荷台の構成員を破砕させる。


和彦はウェンチェスターに装填された弾を撃ち尽くす。それをチャンスと見た構成員達は反撃を開始しようと身を出した瞬間、二挺のマイクロウージーが向けられ、六十以上の弾をほぼ受けてしまう。


そのまま和彦はマイクロウージーをしまい、M82A1を片手で三発運転席を撃ち、爆散するトラックの横を抜いていく。


「我,我就了!!(居たぞぶっ殺せ!!)」

「ウャァァァア゛ア゛ア゛!」

「ウォォォオ゛オ゛オ゛オ゛!」


次に現れるのはサーキットやダートを走るスポーツバイクに乗った構成員達。

手にはMAC11イングラムを持ち、それを和彦に向け、フルオートで撃ち放つ。


弾丸の雨が降り注ぎ、和彦は更にスピードを上げ、避ける。


和彦は面倒だと思いつつ、ブレーキを掛けながら車体を横に向け、ビルの間の路地に入った。





舗装された道路とは違い、ヒビが入り、表面のアスファルトが割れ、あまりいい道とは言えない所に、不法投棄された電化製品やゴミ袋、段ボールもあればビール瓶も転がっている。

そんな悪条件の中でも何事も無く快走に駆け抜ける。


路地裏の出口に差し掛かると、すぐにスピードを上げ、出ようとした瞬間。


「我会上来!(追いついたぞ!)」


テクニカルが横に塞ぎ、ZID Kordの銃火が和彦を襲う。

再度急ブレーキを掛け、すぐ横の路地に入り、難を逃れた。


が、すぐ先に待ち伏せをしていた構成員がRPG-7を構え、和彦に向けて発射。

すぐにVRSCDの車体を横に向けて倒し、RPG-7の弾頭をこめかみスレスレで避けながら再装填されたマイクロウージーを掃射。


後ろからやってくる炸裂音と爆風と共に構成員二人組は燃え散って灰となった。



何とか路地から脱出すると、其処は先ほどの道路とは違う、竹で骨組みされた開発中の地区であった。


このまま真っ直ぐ進めば崑崙タワーに到達する。

そう考えながらアクセルを全開にし、道路を爆走する。


しかし、そう問屋が卸さない。


「了!(ぶっ殺せ!)」

「模具,日本!(死ね、日本人!)」


何台ものテクニカルが狭い道を塞ぐように並び、構成員達が妨害する。

何とか射程外まで下がる中、和彦はあるものを見つけ、それに向かい、フルスロットル。


それは車を運ぶトランスポーターで、丁度車を積んでは居らず、それを乗り上げ、スタントのジャンプ台の様に飛び上がった。


飛び上がった先には竹で造られた工事用の足場があり、タイヤが竹に触れ、高速回転による摩擦を発しながら、足場を走る。


まんまと逃げられた事に腹を立てた構成員達は銃火を浴びせるために銃を構える。

が、和彦は装填されたウェンチェスターを取り出し、近くのネオン光る看板の留め具を撃ち抜く。

瞬間、看板は音を立て、他の看板と連鎖反応で次々と落ち、その下にいた構成員達を車ごと潰していった。





燃え盛る車の残骸が視界をよぎる中、風魔は宙を走るように飛び、有村はアスファルトに足跡を残すほどの脚力で走っていた。

全速力で走りながら、有村は風魔に問いかける。


「うわっ…全部二宮が?」


「…だね。あれほど怒ってたら加減はしないだろう…」


ため息混じりに答える風魔。


どうやらあまり怒らせない方がいいと新たな教訓を覚えた有村である。

ふと、風魔は耳元のイヤホンマイクに手を当てて、シャロンに問いかけた。


「シャロン、和の向かっていった場所は分かったかな?」


『ハイ、このルートを見る限り、崑崙タワーの可能性が高いです』


それを聞き、何とかしなければならないと考えながら、更にスピードを上げる。


「ちょっ!?待ってくれよ!!」


いきなりの事に驚きながらも有村はアスファルトをめり込ませながら、同等のスピードを上げた。


何とか崑崙タワーの直線上までたどり着く中、有村が風魔に対して疑問を唱えた。


「そもそも!何で二宮があんなに怒ってるんだよ!?」


「………」


しかし、それを答えることは無い。


どうしようもなく困り果てる有村に、風魔はぼそりと小さく呟いた。


「…傭兵オペレーターは復讐に溺れてはならない」


「…ハイ?」


途中聞き取れない有村はワンモアプリーズと話しかけるが、対して風魔はそれ以上答えることはしない。

何も話の進展の無い中、有村は真っ直ぐ視線を崑崙タワーに向けていると。




何かが横から飛んできて、有村をハイウェイから蹴り飛ばした。


「ガハッ!?」


「…有村!?」


風魔が両足でブレーキを掛け、後ろを振り向くと、ハイウェイの壁を突き破り、ビルの壁を破壊するように下の市街地に飛ばされた。


「…くっ!」


風魔は助けに向かおうと壊れた所から飛ぼうとする。


が、しかし。


「■■■■■■!!」


「!?」


何もない空間が丸く歪み、黒い影が風魔を襲いかかった。


「フッ!?」


すぐさま対刀を抜き、影から迎撃する。


黒い影はハイウェイの明かりに照らされると、徐々に正体が露わになった。


それは血のような真っ赤な仮面を被り、ボロ切れの黒い布の腰巻きをし、切っ先の無い刀を二本、逆手に持つ、異形であった。





異形、ドレカヴァクは狭間の世界の住人であり、普通であれば現世うつしよに現れる存在ではない。

しかし、それが出たならば、自身と同じくらい強きものを執拗に追い掛け回す怪物である。




向かい側のビルに瞬時に到達した風魔は止まらずに早歩きでそのフロアを練り歩く。


どうやら何処かの会社のオフィスらしく、据え置き型のパソコンや書類がデスクに置かれており、慌てて逃げ出したのか、倒れた椅子や空き缶など、散らばっている。


風魔はこめかみから頬を伝うように冷や汗をかきながら、周囲を見回す。


そして…。


「■■■■■■!!」


「グッ!?」


ドレカヴァクは空間を転移し、二刀を風魔の頭上に切り裂かんとするが、風魔は対刀で防御、左手のストライクガンでドレカヴァクに向けて撃ち放つが、すぐさま弾から避け、退く。

そのままクラウチングスタートで風魔に飛びかかり、二刀を交差する様に斬りかかる。


「チィ!?」


それを対刀で防ぎ、膝をドレカヴァクの腹部に当て、吹き飛ばした。


飛ばされた勢いを殺すように余裕で着地し、立ち上がる。

ドレカヴァクはそのまま刀を回転させてファイティングポーズのような事をする。


風魔は相手の実力に舌を巻きつつ、ガン=カタの構えを作りえながら、向き直った。


「…風魔一党、九代目風魔小太郎…尋常に…いざ参る!!」


ドレカヴァクと風魔は同時に駆け出し、各々の刃を交えた。





瓦礫の山を作りながら、一台の乗用車のフロントを大の大人位めり込ませ、機能を果たせなくする。


有村は変形したフロントから腕や足を出し、頭に痛みを感じながら何とか這い出ることが出来た。


「…イツツッ…此処は何処だ?」


辺りを見回し、此処が六階建ての立体駐車場の五階である事に気がつく。

めり込ませた乗用車の主に若干罪悪感が込み上げるが、気にしない有村は腕を組みながら暗闇に潜む何かに口を開いた。


「よお、クソッたれファッキン共。バファリンあるか?無かったら付き合ってくれよ…殴り殺してやる」


どうやら不機嫌な様子だ。


握り拳の裏を向け、中指を立たせて見せるポーズを取る有村に反応したのか、何やら野生動物特有の唸り声が鳴り響き、それの姿を表した。


「…ふむ、やはり人間は野蛮だ」


「卑しい人間め…我ら人狼族ライカンスロープを舐めおって…」


「此処は引きちぎって骨の髄までしゃぶり尽くせば少しは大人しくなるやろう…」


それは主に狼男と呼ばれる種族、人狼族ライカンスロープであった。


「…うわ…どうもすいませんでした~」


三体ものライカンスロープに睨まれ、高速ムーンウォークでその場を後にしようとする有村だが…。


「何処に行くかな?」


目に留まらぬ速さで一体の人狼が有村の背に到達する。

これには後ろを向く有村の顔も冷や汗でナイアガラの滝が出来るほど溢れ流れている。


「…ちょっとトイレに…」


「なぬ?マーキングならば其処の柱にでもすれば良かろう」


「人と犬科の動物の違いを分かっていればそんな事言わないはず…」


「そうか、言っておくが我等のテリトリーでは無いから安心せよ」


「いやいや、そんな問題ではない」


根本的な問題解決にならない事にどうしようも無く、有村は脱兎の如く飛び降りようとした瞬間。


「ええい!洒落臭いわ!!」


「ゲボバッ!?」


しびれを切らした人狼が有村に飛び蹴りをかまし、乗用車のドア辺りを数台もろともめり込ませた。


「…ガハッ…」


内臓器官が幾つか破裂し、食道が裂けてたため、大量の血と胃液が混じり合った吐瀉物が地面に落ちる。


それを見た他二体の人狼は、待ちきれなくなったか、我先にと有村の身体を掴み、殴る、膝打ちをかまし、足の裏でストンプをかます、等。

すぐにミンチになるような攻撃をされた有村は原型を保ちながらも、腕や足はダラリと力無く垂れ下がり、糸の切れた操り人形の様に見えた。


「…ふん、つまらぬ!」


有村を持っていた人狼は外の公園のジャングルジムに向けて、放り投げた。


グシャリとジャングルジムは飴細工のように曲がりくねり、有村は茨の蔓に巻かれた眠り姫となった。


「…さて、あれだけ筋を叩いたならば肉質は柔らかになっているだろう」


「うむ、そうだな」


「腹が減った。我は内臓モツを頂く!」


好き勝手に喋りながら人狼達は一挙に五階から公園の地面に飛び降り、有村を拝もうとした。


が。


「…いない?」


ジャングルジムの中に居たはずの有村がいない。

全員でキョロキョロと見回して見るが何処にもいない。


それもその筈。




何故ならば、有村は今、人狼の一体の頭部の上から。


足で叩き潰そうとしていたからだ…。




続き あとがき


社長「…無駄だ。これがある限りな!!」


パァァァァァァンッッッ…。


社長「…秘技、エンジェルフォール」


ブル「…なん…だと?」


真「出た、ネットギリギリの落とし技。綱渡りなんて目じゃねぇ!?」


和「…まさか…こんな奴がいたなんて…」


次回!巫女VS嫁!!



次回も宜しくで御座る!

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