第七話 Super patrimonio antico
背表紙的な前書き
沙耶「…次回こそ私達出ますよね?」ヤンデレ面
ライオット「…あ…うん…だから止めてその顔、niceboatって言っちゃいそうだよ!?」
沙耶「フッフフフ」
ライオット「修羅場や!?真の修羅場だ!?」
あとがきに続く
真之助達から離れて数キロ地点。流されてきた張とマカロフは金属で出来た小島らしき所で寝そべっていた。
ふと張は隣の相棒に声を掛ける
「…っっっ…おい、マカロフ。大丈夫か?」
「…何とかな。しかし落ちる際に左足首を挫いた。この様子だと一人で歩くのは難しい…」
そういって左足を押さえながら立とうとするが、痛みが走り、その場にうずくまる。
張はため息を吐いてからモスバーグのタクティカルライトで辺りを照らし、様子を見る。
「ハァ…よくわからん場所でその状態だと厄介だな」
「…場合によっては置いていってくれ。自分で後始末はする」
「馬鹿やろう。そんな事に弾を使うかボケ」
バカなことを吐くマカロフを叱咤しながら自身の肩で左側を担ぎ上げ、歩き出す。
「…すまん」
「貸しにしとくぞ」
謝るマカロフに気にすんなと言うように貸しという言葉を使う。
ふとタバコを吸おうと服の内ポケットを探ると、フタから水が溢れ出て、紙に巻かれたタバコの葉が茶葉の出し殻のように膨れ上がっていた。
ベチョベチョのタバコを忌々しく投げ捨ててから苛ついた表情になる張。
一方で出してやりたいが、タバコを飲まないマカロフは申し訳無さそうになる。
「…今度から防水のシガーケースに入れる」
「そうすればいい」
そもそもタバコを吸うなと言いたいが、それはストレス発散を奪うような物であるため、言わないことにする。
二人が暫く歩いていると、近くから一定のタイミングで一つの光が点いたり消えたりしていた。
それを見てから、それが人為的だと考えられ、其処を目指し、足を進めていく。
真之助はタクティカルライトのスイッチを押し、モールス信号を送っていた。
モールス自体が分からなくとも、この暗い中ならば障害物が無い限り発見出来るであろう。
中の電池を気にしながら隣を一瞥する。
「…もう使えねぇな」
それは水浸しになったHK417とAA-12の二つ。
あいにく防水性では無く、高いところからぶち当たった為、中の部品や銃身が壊れて使い物にならない。
唯一無事だったのがサイドアームのM1911A1スネークマッチⅡとカラドボルグの二つ。
非常に心許ない感覚である。
「…向こうに期待…出来ないな」
しようと言おうとするが、肩を担がれたマカロフと張を確認したときに途中で言い直す。
マカロフはベオウルフを持って居らず、張はモスバーグの弾が無いことを真之助に伝え、全員で落胆する。
「蜘蛛の野郎も生きてんだよな?」
「多分。俺達が生きてるなら可能性が高い」
この原因を作ったキメラの所在を考えてみると、自分達の状況は非常に不味い事が再確認される。
無論真之助は化物に対抗出来るが、何処とも知れぬ場所で無駄な戦闘をすれば例え倒したとしてもジリ貧の状態でお陀仏となりかねない。
「…とにかく、蜘蛛野郎に遭遇しないように脱出手段を見つける。それが一番だ」
「だな。これだけ広いから何かありそうだ」
不安があるものの、現状打破の為に此処の調査をする事にした。
と、何かに気が付いた張は真之助に一言。
「あれ?あの鬼っこはどうした?」
「ん?」
何のことか考え、それが凛湖の事だと(頭の角で)判断して答えた。
「ああ~、凛湖だったらこの辺りを見回ってる」
「女の子一人で大丈夫か?」
「その辺は心配なし、時速80㎞の軽ワゴンをぶん殴って反対側に飛ばしたから」
さらりと並外れた事を言う。
「まあ…そうなら良いが…」
真之助がそう言うならとキメラに遭遇しないことを祈る(キメラ側に)張。
そうしていると真之助はチカチカとライトの光が点滅しているのを発見した。
「…なるほど」
「どうした?」
「…凛湖が何か発見したらしい。とりあえず行くぞ」
「あっ…ああ」
真之助はそう言うとその光を頼りに足を運ぶ。張とマカロフはポイントマンの真之助を追う様について行く。
凛湖が居た場所に着くと彼女は左手であるものを見せるように促した。
「…ワァオ…」
口が開いたまま驚愕の声を出すマカロフ。
張も真之助も、此処にあるものに驚きを隠せなかった。
それは軍が補給物資を送る為の強化プラスチック製の巨大なボックスであった。
外側には一つ「U.S.Army」と判を押されており、何処の物かが判別した。
「米陸軍の補給物資?」
「ああ、多分。しかも特殊部隊だな」
真之助の言葉に疑問を抱く三人。
そのままタクティカルライトのレンズを取り外し、中の電球を回して引っこ抜き、胸ポケットのケースから違う電球を差し込んでから点灯する。
先ほどの白い光から青色の光に変わり、其れを箱の表面全体を見回す。
「…ビンゴ」
何かを発見した。
三人は其れを後ろで眺める。
「…グリーンベレー?」
「ああ、1st Special Forces Group(第1特殊部隊グループ)の紋章だ。リボンにラテン語で「抑圧からの解放」って書いてある。間違いないな」
凛湖と真之助は見たことのあるのでそれがグリーンベレーだと確信できる。
ふとマカロフが疑問に呟いた。
「…何故特殊部隊が此処に?それ以前に何故此処に補給物資が…」
マカロフの疑問には答えられるほどの情報が無い。
とりあえず、張は疑問に肯定出来ない理由を喋る。
「さぁ?だがこんだけデカけりゃ、昇降機の類もあるだろ?」
そう、これが運ばれてきたこと。つまりはこの暗闇の中を脱出出来ると言うことであった。
とりあえず、真之助は中身を開けるべく自身の拳でシリアルキーをワンパンチ。
バキバキッと金属製の錠が壊れ、アタッチメントを外し、上開きの蓋を開けた。
「…beautiful」
「…素晴らしいね~」
「当分は大丈夫そうだな」
「うわ~、何これ!グレラン?」
四人は箱の中身を見ながら手に取る。
一つはベルギーのFN社が贈るアサルトライフル「FN SCAR」。
特殊部隊用突撃銃と名を打たれ、米軍の特殊部隊向けに作られた次世代銃。
銃身に合わせ、口径を変えたり、マークスマンライフルに変えたりする万能性を持つ。
このライフルには同社製アドオンランチャー「FN EGLM」が取り付けられ、まさしくベテランからは評価される武器。
真之助達が持つのは5.56NATO弾装備のSCAR-Lである。
一方、凛湖の持つのは「Titus-6」と言う開発中のグレネードランチャー。
フレシェット(金属製の矢みたいな弾丸。主にショットシェル用徹甲弾で、撃たれればボディーアーマーが貫ける)状の弾丸を連続三発を撃ち、半径一メートルであればキリング可能な武装。
すぐには爆発せず、地雷代わりに撃ち込むことも出来る。
最後に取り出されたのは色の付いた細長い棒。
大きさは交通整理用の誘導棒ほど、しなやかで頑丈、意外と軽いのが特徴。
それの用途が分かった真之助は、棒の真ん中を軽く折り曲げると、一瞬のうちに光が点った。
「…軍用のケミカルライトか…、光源は貴重だから重宝させてもらうかな」
どうやら縁日などで売られている光るリングと同一らしく、真之助がケミカルライトを遠くに投げ、何回かバウンドした後でもその光を灯らせている。
「…さて、此処は何処かな?」
ケミカルライトを投げながら辺りを見回す。
「…多分、此処は地底湖だ」
口から漏らすように張が呟く。
「地底湖?こんな上海の下にあるの?」
ふと凛湖がその事で疑問を問いかける。
すると張は首を縦に振り、答えあげる。
「ああ、眉唾な話だからほぼ都市伝説みたいなものだ。かの周の時代で仙人達の方舟をぶっ壊した竜の足跡だかなんだかが堅い地層で覆われ、雨水やらが貯まってる話が…」
「竜?」
「…頭は蛸、腕は熊のようにゴツく、背中にはコウモリの羽…。体中を鱗で覆われた山脈を越えるほどの大きな竜だとさ…」
まぁ御伽噺だが。と付け足して話を終える。
聞いていたマカロフと凛湖は想像のつかないものにチンプンカンプンだが、真之助だけは何故か考え込む。
だが、そんな事を今考えている場合でもなく、真之助はSCARの弾倉を持ち、軽いチェックをしてから構え、使えることを確認してから一言。
「とりあえず、今は脱出するところを探そう。考察については後でな」
「アイアイサー~」
「だな」
「ああ」
三人も納得し、各々ボックスの銃を手にとって持って行くことを決めた。
「…カッ…カラカラカラッ…」
背後に忍び寄るキメラに気付かずに…。
上海郊外の駅
PM10:58
和彦達は無事に駅の出入り口に到着し、皇国陸軍のベースキャンプに辿り着いた。
怪我人や重病者は医療スタッフのいる赤十字社のテントに運ばれていく。
「にっ…二宮君…」
そうたどたどしく和彦に語りかける那賀を見た時、何げもなく答える。
「…那賀さんは行ってこい。一人でも名医は必要だ」
「…うっ…うん。ありが…とう」
彼女はそう言う、ストレッチャーで運ばれる患者の下に走っていった。
一方、様子を見ていた有村は何やら心配げに和彦に詰め寄る。
「だっ…大丈夫か?何だかヤバそうな気がする」
「…言っとくが、ああ見えてもスペシャリストだぞ、救急のな」
「…そうには見えないが」
「だったらのぞいて見ろ」
指で差し、百聞は一見に如かずと言わんばかりに見せつける。
とりあえずそっと有村はテントの隙間からその中を覗いてみると。
「血液検査は!」
「はい、AB型です!」
「下腹部に銃創、大腸を抉ってる…緊急手術を行います!すぐに準備を!!」
その光景にはいつもオドオドする小動物のような姿の少女は居らず、蜘蛛の糸のような細い命綱を懸命に手繰ろうとする"医者"がいた。
彼女は霧吹きのアルコールを手に撒き、緑色の手術衣をオペ看(手術道具を出す看護師)に着させ、すぐさま執刀を行う。
必要な機材が無い中、那賀は止まることなく手術をする。
下腹部が開かれ、助手が術野を開き、血みどろの内臓の傷口を探す。
「…弾は貫通、しかし裂傷が酷い」
「どうしますか!このままだと…」
「…正常な大腸を裂傷部に合わせてカットしましょう。幸いに塞げなくはないから」
(これだけデカい傷塞げるのかよ!?)
新人らしい助手が心の中で驚きに満ちる。
彼女は迷いなく正常な大腸を切ってからまた繋ぎ合わせ、裂傷部を細かく丁寧に縫い合わせていく。
周りの医師や看護師は那賀の技術に最早驚きを隠せないでいた。
「…縫合終了、後はお願い」
「はっ…はい!」
那賀は後を助手に任せ、他の患者の下に向かっていった。
「………」
素人の有村には詳細は分からないが、それが物凄い事であると分かる。
其処に和彦は横に来ると呟くように口を開いた。
「…那賀さん…チョコちゃんはさ…十一の時でUCLAを首席卒業、二年ほどNGOに参加、シリアで難民キャンプにいた」
「………」
「普通はおかしい程、頭良いし、手術は完璧、応急処置ですらお手の物…。だが悲しいことに…」
「八歳までの記憶が全く無いんだ。ポッカリと…」
「………」
「いや…そもそも今の年齢すら違うのかも知れない。俺達が見つけた時に決めた年齢だしな」
有村は疑問になるが、それを問いかけることはしない。
「…有村、チョコちゃんの事…頼むわ」
「……それは上官命令でか?」
「…いいや、分かり合える友人…信じられる奴として。後此処で上官はねぇよ」
「…そうかい」
和彦の意図を少しながら感じ取る中、自分達のやるべき事をするため、二人はその場を去っていく。
同時刻
「…あった…」
真之助のタクティカルライトによって照らされた其処には真新しい鉄製の昇降機であった。
大きさは10tトラック一台分をすっぽり収められる程で、よっぽど大きな物を運んでいたと思われる。
脱出手段を手に入れた喜びと同時に、顔をしかめるような光景を目の当たりにする。
「…道理でな」
其処にはかつて人間であった物が"何か"に食い散らかされた凄惨な痕であった。
「うへっ…」
「…何が遭ったんだ…」
「………」
それを見た三人は頭を抱えてその光景を見やることをする中、真之助は一番無事な死体を見つけ、それを観察する。
(…やはりグリーンベレーか…長い歴史のある特殊部隊がやられる…)
ふと落ちている物を発見する。
それは軍用のPDAで、充電が切れているのか、画面が真っ暗である。
真之助はPDA充電器用のバッテリーを取り出し、共有化されたUSB差し込み口に入れる。
「…点いた」
PDAの画面から光が点り、タッチパネル式のアイコンが九個等分に並べられている。
真之助はすぐさまデータフォルダを押し、何か残っていないかスライドさせて探すと最近の物と思わせる動画データが一つ発見した。
それを押し、再生が始まる。
『…あ~、えっと…○月○日、今日は作業員と共にオーパーツと思われる回収に勤しんでいる』
映し出されたのはタクティカルベストを付け、顔をバラクラバとゴーグルを付けた兵士であった。
『まあ、俺達は此処で働くチャイニーズ達の監視役だがな』
と肩をすくめる。
辺りでは土を落とす小さなちりとりやアーク放電で方舟と思わしき物体の一部を切り取っている。
作業員達は黙々と続けている中、方舟の入り口から一人の学者が防護服を揺らしながら走り出た。
『逃げろ!何かが同僚をっ【グシャ!!】』
言葉が途中で切れた時、学者の左肩から右横腹が無くなり、血を滴らせて倒れた。
数秒間の静かな間が置かれ、学者を襲った何かが唸りを上げて"這い出た"のだ。
『…あっ…うあぁぁぁぁぁ!?』
周りの兵士はSCARのトリガーを思いっきり引き、それに対して反撃を加える。
胸元に近いせいか、カメラがぶれ、何に発砲しているのかが分からない。
マズルフラッシュと発砲音が辺りを掛け鳴らし、脅威を払おうとするが、どれだけ攻撃を加えても、どんなに正確に狙おうとも。
"それ"を殺すことには至らない。
撮影者の弾倉が空になると、狂乱の叫びを上げ、出口の昇降機に向けて走り出す。
後ろからは仲間が牽制をするが、"何か"は次々と頭部を喰らい、腕らしき物で薙ぎ倒し、屈強なグリーンベレー達を殺していく。
何とか辿り着いた撮影者は昇降機のボタンを狂いながら押し続ける。
無駄だと分かっていてもそうしなければ心が壊れてしまうかも知れない。
そして昇降機の床が見え、彼は安堵しただろうか、泣き声が漏れている。
『ハッ…ハハッ…やった【ゴシャリッ!】』
『…あっ?』
彼の身に何かが起き、そのまま倒れ込んだ。
PDAは胸ポケットから落ち、カメラ部分が上側になると、"何か"の正体を映し出す。
それは人の形をし、両肩から丸太のように太い腕と刃のような爪の生えた怪物であった。
それはカメラを一瞥し、何事も無かったように太い腕を身体の中に仕舞い、昇降機の中に入っていった。
動画の再生時間が終わり、此処で起きた全てが判明した。
「…なっ…何だったんだ…あれは!?」
マカロフは手で顔を押さえ、そこで起きた事を信じきれない。
張も口を閉ざし、何も語れない。
此処で、真之助が重い空気の中、口を開いた。
「…エノク語だ」
「…はっ?」
何のことか分からない。すると更に続けて答えあげる。
「天使の言葉で、幾つもの遺跡に残されてる。読み方は知ってるが此処まで流暢に喋ってるのは初めてだ」
驚きを隠せない真之助はため息を吐きながら顔に手を当てる。
「そもそもエノク語を喋るなんて……コイツは一体」
「どちらにせよソイツは外に出て行きやがったぞ。どうするんだ?」
「…うむ…追うにせよ、動画データから見て二日か三日前だからどこか遠くに行ってるだろうし。ハッキリ言って…」
「どうしようもない?」
「その通り」
結果、何も出来ない事に溜息を吐く。
「とりあえず…その件は置いおいて、早く出ちゃおう?すぐ其処だし」
ふと、凛湖が場の空気を変えるために進言するとやや間を置き、二人はしゃあなそうに立ち上がる。
そもそも其方が優先順位であるので脱出してから考えて欲しい所。
何とか本来の目的に戻り、凛湖を前に張、マカロフ、真之助を後ろにする。
真之助はSCARの薬室を調べ、正常に動くかどうかを確認し、異常が見当たらないことが分かると、弾倉をセットし、構える。
次の瞬間、真之助の身体に巨大なものがぶつかる。
「ガハッ!?」
三人が気づいた時には真之助と"それが"共に方舟の残骸らしき場所にぶつかり、落ちていってしまった。
「…真!?」
「真之助ーーーーー!!」
「…クッ!?、先に行け!私は中を調べに」
「マカロフ、お前は足が!」
「中から覗くだけにするさ…」
そういってマカロフはSCARのセーフティーをロックし、杖代わりにする。
「アイツのPDA周波数は既に聞いている。二人は昇降機を上がり、周りの探索を済ましてくれ」
「…分かった」
「…真を…お願い」
張は渋々納得し、凛湖は託すように答え、二人は昇降機に向かっていった。
マカロフは踵を返し、SCARのストックを地面につけながら歩き始める。
「…さて、行くとするか」
縦に崩れた残骸の中、真之助はキメラの足元を掴みながら落ちていた。
「…ォォォォオ゛オ゛オ゛ーーーーー!?」
時折障害物に当たり、キメラの身体は痙攣するが、すぐにジタバタと足を暴れさせ、真之助を引っ剥がそうとする。
一方、真之助はがっしりと四肢で離さないようにしがみついていた。
「死ねクソッたれ!!」
SCARのトリガーを引き、キメラの間接部を撃ち放つ。
5.56㎜NATO弾が外装に覆われていない部分に潜り込み、キメラは今までにない苦痛を浴び、自分の爪で真之助を叩こうとする。
が、長く続いた落下はキメラが地面らしき場所にあらゆる物をひしゃげさせて叩きつけられて終わった。
奇っ怪な叫び声を上げ、キメラはダラリと力が抜けていく。
真之助はキメラが死んだと考え、地面?に降り立った。
「…参ったな…何処だ此処?」
それは真っ暗闇の筈なのに…。
満月の時ほどの光りを周り一帯照らし出していた。
「…明るいな…」
節電の為、タクティカルライトをOFFにしてから銃を構える。
すると、キメラの足が動き、立ち上がろうともがき始めた。
「…チィ…そのまま寝てれば良い物を…」
SCARを撃ち、牽制しながら逃げようとするが。
「…あれ?」
何故か通路らしき物が見当たらない。
「確か、此処に…」
ペタペタと壁を触り調べても変わりなく、非常に不味い事態を思い描いていると、キメラは立ち上がり、真之助を凝視する。
「…はぁ…」
最早逃げる事を諦め、SCARを壁に立てかけてから。
「…決着着けるぞ」
いつもの如く、亜魔刀を繰り出し、戦闘態勢に入った。
ライオット「……チーン♪」犯人はヤス
香奈多「さて、次回も宜しくだよ~」
沙耶?「サヤッチダヨー…ジカイモヨロシクダヨー」
終われ




