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調理部の恋愛事情  作者: 春隣 豆吉
Extra recipe-2
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4. 作ってもらった彼弁当。

 最近、ようやく裕介くんと呼ぶことに慣れてきたある日のこと。

『唯さん。俺がお弁当つくるからピクニックに行こう』

 裕介くんからのメールに、思わず二度見をしてしまった。確か、得意料理はカレーだったよね・・・私は思わず勉強中なのに悪いと思いつつ、電話をかけてしまった。

「唯さん。どうしたの?」

「勉強の邪魔してしまってごめんね。今、話せる?」

「大丈夫。もしかして、メール見た?」

「うん。悪いけど、ちょっと驚いた」

「部活引退したからさ、俺が食事当番になることが増えたんだよ。毎日カレーばっかりだと辛いからさ、兄ちゃんたちに料理も教わってるんだ。」

「そういえば、一番上のお兄さんが料理男子なんだよね」

「そうそう。一番上の兄ちゃんは孝介って言うんだけど、“お前、カレーしか作れないって微妙だぞ?勉強の合間に料理も覚えてみたらどうだ。”って言い出して、勉強のほかに料理も教えてくれるんだ。だから唯さん。俺の特訓の成果を楽しみにしていてね」

 電話越しに裕介くんの張り切りようが伝わってきた。



 電話をした週末、内藤くんは待ち合わせ場所に大きめのトートバッグを持参してきた。行き先は電車で1時間ほどの場所にある自然公園。植物園やハーブ園が隣接していて、遠足や写生大会などの定番の場所でもある。

 公園に到着すると、私たちみたいにお弁当持参で来ている人が結構いてみんなレジャーシートを敷いてのんびりしている。

 私たちも適当な場所を見つけて、レジャーシートを敷いた。

裕介くんが「見てよ、俺の自信作!!」と裕介くんが楽しそうに次々とタッパーを開ける。

 そこには彩りもよく並んだおかずと、大き目のおにぎりが。

「わあ!美味しそう!」

 鶏のから揚げ、卵焼き、春巻き、にんじんのグラッセ、豆サラダに丸ごとトマト。青菜の胡麻和え・・・すごいなあ。もしかして裕介くんって私よりマメかもしれない。

「裕介くん、すごいねえ」

「ここのところ家の夕飯は弁当に入れるおかずの試食だったよ。兄ちゃんたちもつきあってくれたんだ。あ、おにぎりはシャケと焼きタラコだよ。」

 私はおにぎりを手に取った。私が握るより一回りくらい大きい・・・やっぱり手が大きいとでかくなるよね。一口だべると、塩加減もちょうどいいしシャケも美味しい。

「裕介くん、おにぎり美味しい!」

「そう?よかった~。おかずも食べてみてよ」

 私はおかずにも箸を伸ばした。・・・・どのおかずも美味しい。裕介くん、お兄さんから教わったって言ってたよね。お兄さん、いったい何者・・・。泰斗にいたら絶対調理部にスカウトしたな。


「おかずも美味しいね。すごいよ裕介くん!わたしよりも上手だよ。」

「よかったー。孝介兄ちゃんに教わった甲斐があったよ」

「お兄さんすごいねー、泰斗にいたら、絶対調理部にスカウトしたよ」と私が言ったところ、裕介くんが固まった。

「裕介くん?」

「だめ。絶対だめだよ、唯さん」

「え、なんでよ」

「唯さんは、うちの兄ちゃんたちを知らないから・・・・」そう言って、裕介くんはお兄さんたちの話をしてくれた。

「・・・というわけで、駿介兄ちゃんはともかく、孝介のほうは危険なの!!」

 話半分に聞いたとしても、裕介くんのお兄さん・・・特に孝介さんは、なんかすごい人なんだなというのはよくわかった・・・一度見てみたいってちょっと思ってしまった・・・・。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


とりあえずここで<完結済>とさせていただきます。

読んでいただいた皆様、ありがとうございました。

楽しんでいただけたなら、幸いです。



番外編、結構楽しく書くことができました。

アイデアを教えてくれた皆様、ありがとうございました。

全部にお応えすることが出来ずに申し訳ありません。


これからは、「調理部」は不定期更新となる予定です。


しばらくは新作のストック作りに励みます。

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