表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
調理部の恋愛事情  作者: 春隣 豆吉
Recipe-7:冬の調理部員(元も含む)
23/33

3.長谷川 志保のSweet day

 バレンタインデーは仕事だと恭ちゃんから聞いた私は、ちょっと早いけど恭ちゃんのマンションにチョコレートを渡しに来た。恭ちゃんは喜んで受け取ってくれてさっそく食べている。

 そこでふと目に付いたのは・・・紙袋に入った大量のチョコレート。

「恭ちゃん、たくさんもらったんだね」

「あー、それな。もらった人全員にお返しするから大変だぞ。もらった人を覚えてないといけないから大変だよ」恭ちゃんがぼやく。

「ふーん」なんか、面白くない。恭ちゃんがもてるのは昔からだからしょうがないけど・・・彼女の立場から見ると、自分の彼氏が自分以外の人からチョコとかもらうって微妙。それにしても、バレンタイン前にこんなにもらうんじゃ、当日はどれくらいもらうのかな。


「お?もしかして、志保やいてる?」

 恭ちゃんがなんだか嬉しそうに言う。

「・・・やいてないもん」

「そうか?俺はいつも志保が心配だから言わせてもらう。志保は優しいから頼まれると断るのが大変かもしれないけど、合コンの誘いは断れよ」

「学校帰りはバイトしてるから忙しくて行けないよ。そういう恭ちゃんは合コンに行ったことあるんでしょ」

「え。」恭ちゃんがなぜか言葉に詰まっている。

「やっぱりねー。恭ちゃんなら行ってると思った。」そしてお持ち帰りとかもしてたんだろうな~。

「今は行ってないからな。」

「恭ちゃん、合コンって楽しいのかな」

「志保は知らなくていい世界だ。」

「えー、なにそれー」

 私がふくれると、恭ちゃんが笑う。


「お、そうだ。志保に頼みがあったんだ」

「なに?」

「大量にできるお菓子ってやっぱりクッキーとかになるのか?」

「そうだね。クッキー類は一度にたくさん焼けるから・・・。あとはカップケーキくらいかな」

「ホワイトデー用にここで作ってくれないか?もちろん費用は出す」

「え。」

「いつもならネットで購入するんだけど、だめかな」

「私はかまわないけど、手作りのお菓子をもらうのが嫌って人もいるよ?」

「それはもらった側の都合だろ。それに、志保に作ってもらうことに意味がある」

「意味?」

「いかにも手作りのお返しをもらったら、普通彼女か奥さんが作ったのかって思うだろ?」

「そうだねえ。料理をするイメージがない人だと特に」

 そして恭ちゃんは「料理をしない人」のイメージだ。実際はする人だけど。

「これで志保がやかないですむし、来年からはお返しをする量が減るだろ。まさに一石二鳥だ。聞かれたら“彼女に作ってもらった”って俺言うし」

 恭ちゃんが自分の思いつきに得意満面の表情になる。

 私はテーブルに置いてあるチョコたちに目をやった。

 本命チョコと思われる高級チョコをくれた人には申し訳ないけど・・・恭ちゃんの思いつきをちょっと嬉しく思ってしまった私だった。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


オチのないストーリーになってしまってすみません(汗)

タイトルどおりのまさに「甘い一日」でした。

それにしても、恭一・・・どんだけ過保護(笑)。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ