8-結果オーライ……?
序盤の方で出来る金策はまだいくつかあるが、どれもこれもゲームだから可能なことだ。
あと他には主人公の立場だからできたこと。今のリグニッキャ伯の四男という地位では難しい。
他は交易都市間を移動して稼ぐ方法もあるが、移動手段の確保と初期費用が必要である。
はぁ。金策についてはまたあとで考えることにしよう。
さて、今回の交易の成果だが
完全なサフィレット×1、壊れたサフィレット×3、複製魔法、金貨×1
という結果になった。これがよいのかどうかは判断がつかないが、複製魔法を手に入れたから良い結果だろう。
「とりあえず、父のところにグミュント返しに行かないとだよな?」
「まぁそうですね。もう移動する予定もありませんし、返しに行くのは早い方がいいでしょう」
「なら、返しに行こう」
正直またあそこに行くのは気が引けるが、さっさと返しに行く。
てなわけで世話になったグミュントを父に返しに行く為にまた本邸に訪れた。
「この度はありがとうございました」
グミュントをアゾーに託したあと、父の下を訪れて礼を言う。
いつもの父ならこちらに気を止めずそのまま帰るだけなのだが、今回は違った。
「ズノイモではやりたいことができたか?」
「ええ。おかげさまで」
「ふむ。差し詰めサフィレットを買いに行ったのだろ?ズノイモにはそのくらいしかないからな」
何でこっちの行動を見通してるんだ?
「で、なぜサフィレットなんぞ買いに行ったんだ?」
「……お金を稼ぐ為です」
本当のことをあえて父にいった。変にはぐらかしてもすでにこっちの意図に感づいてる気がしたからだ。
「ふむ。生活資金は渡してるはずだが?一体なぜそんなことを?」
「……学園費用を稼ぐ為です」
「学園とな?ふぅむ」
そう言って父は黙り込んでしまった。また空気が重く感じる。
「わかった。帰っていいぞ」
「わかりました」
父の中で何かしらの結論が出たのか、帰るように命じられる。一体何を納得したんだ?
まぁ、いいか。止められないってことはこちらに特段干渉する気もないって事だろうからな。
「何かお話でしたか?」
「いや、そんなんじゃないよ」
帰ってくるなり外で待ってたタチャーナが不安げな顔をしている。
ま、心配にもなるか。
「さて、家に帰ろう」
用は済んだので本邸をあとにする。しばらく来ることはないだろうな。
「あ〜。こいつがあったな」
家について中庭に放置したままの塩を見て、家に帰ってきた実感と山積みされた問題を直視した。
とりあえずもう休もう。
読んで頂きまして、ありがとうございます。
続きが読みたいと思ってくださる方は、ブックマークしてもらうと励みになるので、よろしくお願いします。
また、ポイント貰えると嬉しいです。




