77-待ち合わせ
「昨日のダンジョンは中々だったな」
ルシュキーとのダンジョン攻略を思い返しながら、今日は街の広場に向かっていた。
というのも、この前にマヤと待ち合わせの約束をしていたからだ。
「お待たせ。待った?」
「別に。私もついさっき来たところよ」
広場に着くと、先にマヤの方がついていた。
「ふぅん。馬子にも衣装ってわけね。あんたも一応は貴族ってわけ」
「いきなり手厳しいな。で、今日は一体どういうわけだ?まさか本当にデートってわけじゃないだろ?」
俺がそういうと、マヤはニヤニヤと不敵な笑みを浮かべる。その笑みは妖麗で思わずドキッとしてしまう。
「あんたがお望みならそれでもいいんだけどね?」
「からかうのはよしてくれ」
「ふふ。まあいいわ。本題に入りましょう。あんたには、このままうちの屋敷に来てもらうわ!まあ、この間の話を両親にしたらぜひお礼をしたいって」
「なるほど。そういうわけか」
「ええ。てなわけで、さっさと行くわよ!」
マヤはそういうと一人でさっさと行ってしまう。俺はそれを後ろから慌てて追いかける。
といっても、彼女の家ならどこか知っている。
なぜなら、彼女のエンフィルド家は王都でもしれた商家で家の場所も知られているし、何よりゲームで訪れたことがある。
ま、それを今のエズワルドで言っても野暮というものか。
「さあ!ここが私の家よ!」
そうこうしているうちにマヤの家までたどり着く。彼女の家は広場からほど近く、貴族の屋敷が立ち並ぶ一画にあった。
ゲーム内で知り得た情報によると、どうも借金の方にさる貴族から手に入れたらしい。
てか、今気づいたけど俺の家から結構近い。




