54-戦利品
「おい」
クラスメイトの視線が突き刺さる中、何とか午前の課目を終えて、居ても立っても居られない空間から逃げ出して、人気の少ない場所に向かう。
すると、突然後ろから声をかけられる。
妙に聞き覚えのある声に、嫌な予感がしつつ振り返ると、案の定そこにはボニファーツがいた。
それと、ボニファーツだけではなく、今回はボニファーツの後ろに傷だらけの子供が二人いた。
服装はボロボロの布切れ一枚に裸足という状態で、ひどい状態である。そして、ひと際目立つ首輪が付いており、その首輪には鉄の鎖がついていて、それを辿っていくとボニファーツが握っているのがわかる。
これは……奴隷って事だよな?ここまでひどい状態なのは、ヤバいな。いや、この世界の奴隷事情に詳しくないから、何とも言えんが。
もしかしたら、これがデフォかもしれんし。
それにしても、この子達は明らかに虐待を受けた形跡が見て取れる。
てか、ゲームじゃ奴隷とか存在しなかったんだけど、ここでは普通に存在するんだよな何故か。
「腹ただしいが、約束は約束だからなッ!こいつらをくれてやる。ありがたく思え!」
ボニフォーツはそういって子供を置き去りにすると、そのままどこかへと消え去った。
なんかちょっとゲームっぽくて感動である。
って、そんなことに感動してる場合じゃなくて、タチャーナになんて言い訳しよう……。




