46-俺じゃなくてあっち
「貴様ら!そこで何をしている!」
この決闘騒ぎをどこからか聞きつけた教官の一人が、この中庭へと乗り込んできた。
(げッ!この教官、俺の担任じゃん!名前は忘れたけど)
教官が乗り込んで来るとすぐさまに、さっきまでお祭り騒ぎで集まってた生徒たちは、蜘蛛の子を散らすようにいなくなる。
そして、気絶しているボニフォーツと俺とマヤだけがポツンと取り残された。
「エズワルド……。やらかしてくれたなッ!ちょっと来いッ」
教官はチラリと気絶しているボニフォーツを見て、俺の方に振り返ると、俺をこの騒ぎの首謀者と決めつけて連行しようとする。
「いや、俺じゃなくてあっち!あっちのボニファーツッ!」
「わかった。わかった。言い分は部屋に着いたらいくらでも聞いてやろう」
必死に弁明するが、教官は聞き入れず有無を言わさず俺を連れて行く。
俺は無罪だッ!
特待生クラス側の中庭で、ヒロインの一人であるマヤを助けるべく、ボニフォーツと決闘をし、最終的に俺の魔法で勝利を収めたところで、騒ぎを聞きつけやって来た教官に指導員室まで連れて行かれる。
そこでこっぴどく叱られるのだが、俺は悪くないと思う。悪いのは気絶して失禁したボニフォーツであり、俺は自らの身に降り注ぐ火の粉を払っただけに過ぎない。
ま、最後はちょっとムカついて、当たったら死ぬ雷とか使ったけど、結局決闘自体を仕掛けてきたのはボニフォーツだから俺は多分悪くない。




