44-立会人
「立会人をラヴィルにさせるが、構わねぇよな?」
ボニフォーツがそう言うと、後ろからスッと一人の男が出てくる。
こいつはゲームでたびたび見たことある。ボニフォーツの取り巻きの一人だ。
「ああ、構わない」
立会人をボニフォーツ側の人物が務めるという事は、こちらにある程度不利になるが、その程度何の問題にもならないので了承する。
「ルールはバーリトゥード。剣、魔法その他諸々、何でもありだ。それで構わねぇな?」
「構わないよ」
「ちッ!スカしやがって。負けたら約束通り俺の奴隷になれよ!一生こき使ってやるよ!」
「そっちも約束忘れんなよ」
はぁ。自分でまいた種とはいえ、面倒なことになった。
喧嘩を買うためとはいえ、無駄な要求をしてしまった。奴隷2人もどうしたものか……。
これ絶対にあとでタチャーナに怒られるよな。
この決闘だが、俺がボニフォーツに勝つのは最早既定路線だ。
なぜなら、この時のボニフォーツの実力はゲームで理解しており、今の俺の実力はそれを凌駕してるからだ。
かといって、それに慢心したりはしない。逆に俺を下に見てボニフォーツは慢心してるので、この戦いは俺が勝つというわけだ。
だからこそ、無駄に要求した奴隷2人を俺が手に入れるのは決められた未来であり、その後タチャーナに怒られるのが容易に想像出来るのである。
う〜む。何てタチャーナに言い訳しよう……。




