40-修羅場
「ご主人?その格好……。もしかして、一人でダンジョンに行ってたのだ?ずるいのだ!」
ダンジョンから超特急で家に戻ると、寝起きで毛並みがボサボサになっているリュボフとばったり出くわす。
リュボフは俺が冒険用の装備を着ているのを見ると、ダンジョンに一人で行ってたのを察してくる。
くっ!間が悪い……。昨日、一緒に行こうと約束しておいて、朝に一人でそそくさとダンジョン攻略してたと知られてしまった。
う~む。予想通り、リュボフは拗ねてる。
しかし、急いで学園に向かわなくちゃならないし、今リュボフにかまってる暇がない。
どうやって切り抜けたものか。
「ふわぁぁ。あら?あなた達、朝から何してんの?」
「あ、いいところに現れたな!ちょっと急いでるから、リュボフのことダンジョンに連れて行ってくれ!じゃあな。リュボフ、帰ってきたら一緒に行こうな!」
ちょうどいいところに現れたスサンナに全てを押し付けて、学園服に急いで着替えて支度を終えて、学園へと向かう。
そもそも、スサンナの発言が原因だからな。
「ちょ、ちょっと!何であたしが!」
何やら喚いているが、お構いなしに家を飛び出して学園に向かう
家から学園まで近い事もあり、何とか時間ギリギリで、遅刻せずに学園に到着することが出来た。
さて、王都の学園での授業だが、基礎的な学問に加えて、元がファンタジーゲームの世界であるだけはあって、魔法の授業がある。
といっても、俺は基礎的魔法なら使えるし、ゲームで出てきた魔法は殆ど覚えてるので、基本的にサボりの時間だ。
というより、殆どの授業がサボりの時間である。というのも、前世での記憶プラスこの世界に転生してから本の虫だった影響だ。
じゃ、何で学園に来たんだ?となるが、それはここがゲームの舞台だから、モブとしては乗り込んでやろうかなと。
流石に入校から2日目で、いきなりサボるという行かないので、大人しく授業を受けに行くことにする。




