38-隠し部屋
「ここかな?」
ゲームの知識を頼りに、歩みを進みて隠し部屋の前にたどり着く。
隠し部屋は一階にあり、ゲームを散々プレイしたから大丈夫だろうと楽観していたが、自分視点で探索すると意外と迷って苦労した。
さて、隠し部屋だが、一見するだけでは分からない、微妙な壁の違い。
それを少しだけ押すと、壁が開く。
「これ、この世界の住人は開けれるのか?」
ゲームの知識があったからこそ開けれたが、これが全くの知識無しでは無理なレベルだ。
そもそも、この隠し部屋があるのは、一階で多くの冒険者が見向きもせずに、素通りしていく階層だ。
「ま、俺としては好都合だけど」
隠し部屋の中央にある宝場を開いて、中にある『始祖の指輪』を手に入れる。
手に入れた『始祖の指輪』を早速装備する。
「さて、用はとりあえず済んだし帰るか。じゃないと、学園に遅刻しちまうからな」
帰るために、元の来た道を歩き始める。
「って!こんな時にスケルトンと出くわすかよ厄介だな!こっちは無駄に迷ったから遅刻しそうなんだよ!」
隠し部屋から出ると、運が悪いことにスケルトンと出くわす。
このダンジョンは元が墓な影響かアンデッド系の魔物が多く現れる。
だが、不幸中の幸いで相手は一人だ。ここは戦闘せずに素通りしてそのままダンジョンを出てしまおう。
スケルトンは予備動作もなく、こちらに斬り掛かって来るが、その斬撃をしっかり見極めて半身で躱してそのまま出口へと走り抜ける。
ここまで来るので道は殆ど覚えた!来た道の逆順を走り抜ければ脱出出来る!
スケルトンが何故か追ってきてるが、知った事かッ!こっちは授業に遅れそうなんだよ!それにこっちの方が速いから振り切れるッ!
あばよ、スケルトン!また来るぜ!




