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「はぁ。これでひと段落だな」
手頃な宿を見つけて転がり込んで、荷物を下ろしてベッドに腰を据えて大きく息を吐く。
何とかここまでついた。
「じゃ、俺はちょっと用事が……」
「この町で何をしてるか知らんが、明日にも出発するから行かせないぞ」
「ちぇ。何だよケチだな、エズ」
「何とでもいえ。こっから先、天候がどうなるかも領地がどうなってるかもわかんないんだ。ここで少しでも体力を回復しておかないと」
「う〜ん。それもそっか。なら、メシを食いに行こう!メシ」
「ご飯!ご主人、今すぐ食べに行くのだ!」
「はぁ。そうだな。そうするか」




