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「はぁ。まだ積もるほどじゃなくてよかった」
真夜中にチラついていた雪は、朝日が昇ると、太陽の熱で溶かされて昼になる頃には消えてなくなっていた。
雪が積もっていたら足が取られて歩くのが遅くなっていたので、溶けてくれて助かった。
「確かにな。でも、エズ?あっちの方はやばいんじゃないか?」
ルシュキーが敢えて考えないようにしていたことを言って来る。
くッ!そうなんだよなぁ。ルシュキーの言う通りシュドルツェから先。俺が統治することになった領土はラスィーツカ方面。
もう冬が訪れていても不思議じゃないからなぁ。




