34-フィーネ・ズ・デューシキャ
う〜む。フィーネを攻略するのは思った以上に難しいかもしれない。そもそもゲームじゃ攻略対象でも無かったから、対策がない。
しかし、ここはゲームではなく現実なので、攻略の糸口は必ずあるはずである!
なんてことを考えながら、入学式の長ったらしい前口上を聞き流していた。
抜け出そうかとも思ったが、初日からやらかすのも考えものなのでやめといた。
「一緒に昼食でもどうかな?」
退屈な入学式もおわり、昼になっていたので、フィーネを昼食に誘う。
何としてでも攻略してみせるぞ!
「え、あ、はい。いいですよ?」
よし!フィーネと一緒に食事が出来るぞ!
てなわけで、学園に併設されているカフェテリアにフィーネと一緒に行く。
カフェテリア内はすでに学生でごった返していたが、何とか席を確保する事に成功した。
昼食はサーモンサラダを食べることにした。王都はリグニッキャと違って海が近いので魚が手に入るのが実にいい。
それに物流もリグニッキャと比べ物にならないからいくらでも美味しいものが手に入るッ!
「ずいぶんと控えめなんですね?」
「うん?ああ。俺は昼食はあまり食べないからね」
「そうなんですね」
「ま、夕食は沢山食べるんだけどね。そうだ!よかったら今度一緒に夕飯でもどうかな?」
「え、はい。機会があれば」
よっしゃ!フィーネと夕飯を一緒に食べる約束が出来たぞ!
王都周辺の美味しいお店をリサーチしなければ!……いや、いっそ家に呼ぶか?
「ところで、エズワルドさんは――」
「遠慮せずエズでいいって」
フィーネは中々愛称で呼んでくれないな〜。ガードが硬いというかなんというか。
ぜひとも愛称で呼んでほしいものだ。
「あ、はい。それで、ですね。エズワルドさんはボニフォーツ様とお知り合いなんですか?」
げっ。何で俺の推しのフィーネからあのボニフォーツの野郎の名前が出てくるんだよ。
あのボニフォーツの野郎。フィーネに何かしてんのか?
「ま、知り合いと言えば知り合いだけど。どうして?」
「いえ、今日クラスに行く前に広場でお二人が話をしているのが見えたので」
あの俺がボニフォーツに絡まれてるところ見られてたのか……そして、別に会話してないけどね?ガン無視してたけどね?仲いいわけじゃないし。
「ふ〜ん。で、フィーネはボニフォーツとどういう関係なの?」
俺はちょっと拗ねながらフィーネに尋ねた。
「いえ、別に大した関係じゃ……。ただ、ボニフォーツ様がどういった人か知りたかったので」
「ボニフォーツね。人前であんまりこうは言いたくないが、いい性格はしてないよ」
「そうですか……」
それを聞いたフィーネは落ち込んだ表情をしている。ボニフォーツ何をしやがったんだ?てか、ゲームじゃ二人に関係なんて特になかったはずだぞ。
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