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「――その必要はない」
突然聞こえてきた第三者の声に反応して、俺とルシュキーはすぐさまに臨戦態勢をとる。
「エズ、こいつが?」
俺はコクリと頷いて返答する。
「上が五月蝿いと思って出てきてみれば、ネズミが二匹も紛れ込んで居たとは……。さて、どうしたものか」
この屋敷の主は思案するように顎を擦る。
その時、ルシュキーめがけて数本のアイスジャベリンが飛んでいく。
「うぉッ!あぶねッ!こいつ無詠唱かよ!?一体何なんだよこいつ」
「稀代の魔術師。スヴェトラ・ズ・デネブロイ。かつて宮廷魔術師ながら王に謀反を起こしたこの屋敷の主だ」
「おや?ネズミにしては私に詳しい様子だ。だが、それも関係ない。私の姿を見たからにはここで死んでもらう」




