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「そうですね……こちらは如何でしょう?」
俺は早速休日を利用して不動産を仲介する商人の下で物件を物色していた。
「う〜む。悪くはないんだけど、今の家より学園までの距離が遠くなるのがなぁ」
しかし、さっきから色々と見ているが、これといった物件がなく、お家探しはかなり難航していた。
「今のところと同等の物件はないのか?」
「と言われましてもね……。伯爵閣下が現在お住まいのお屋敷は、初代リグニッキャ伯からのもので、それと同等となりますと、うちのような没落した弱小貴族の家を探すところでは中々……」
「そこをどうにかならないか?多少難があってもこっちで解決するからさ」
「う〜ん。うぅ〜ん……。そこまで言われたら無いことも無いですが……」
「お!あるのか!なら、その物件を紹介してくれよ」
「しかし……相当な曰く付きですよ?なんせこの家に住む事になった人々が全員何らかの理由で断絶する呪われた家なんですから」




