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「休みってのはいつも、あっという間に過ぎて、突然終わる」
学園に入ってはじめての長期休暇は、ヌワルリェスの遠征であっという間に過ぎ去って、今日からまた学園の一生徒としての生活が始まった。
「おい!見つけたぞ、エズ!」
学園の門をくぐって早々に、面倒な相手に声をかけられる。
「おい、エズ!てめぇ無視して行こうとすんな!」
「一体何だ?ボニファーツ」
声をかけてきた人物は何かと因縁のあるボニファーツであった。
俺の学園でのボッチ生活もこいつとの決闘のせいだしな!
「てめぇ、一体何をしたんだ?」
「ん?何の話だかさっぱり分からないんだが」
「とぼけんじゃねぇ!……いや、まだお前の耳に入って無いだけか。くそッ!エズのくせに」
「本当に何の事だか話が見えてこないんだが?とりあえず、説明してくれ」
「ふん。俺が説明するまでもなく、直に分かることだ。じゃあな!……最後に一つだけ、同じ派閥の貴族として。派閥の品位を落とすような行動はするなよ?」
ボニファーツはそれだけ言い残して去っていった。
一体、何だったんだ?




