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「要塞なのだ?」
リュボフが様変わりした野営地を見て首を傾げる。
まさかこの短期間でここまで要塞化するとは……。魔法の力は偉大だな?
「そうだぜ?要塞だぞこれ。何に備えてるのか分からないが凄いよな?エズ」
「うん?ま、そうだな。けど、このくらい要塞化しないとヌワルリェスの脅威に対抗出来ないって事だ」
「そういうものなのか?俺は王都周辺の出身だからヌワルリェスの脅威についてはさっぱりだからな」
「ヌワルリェスは凄いぞ。そもそも帝国と国境を接してる上に――」
その時、どこからか大変だ!という声が聞こえてきた。




