213/373
211
「誰の差し金だてめぇら」
見張りの盗賊に止めを刺したところで、洞窟の中からぞろぞろと増援の盗賊がやって来た。
その中の一人、俺達に向かって大声を上げる男。
無精ひげを生やした顔に左目から左頬に向かって縦の傷跡が残っているこいつが、この盗賊達の親玉だと直感で理解させられる。
「いや、別に?ちょいとスロットの軍資金稼ぎついでに、こいつらヒヨッ子の腕試しと思ってね」
そう言って勇者は煙草に火をつけて口に加える。
「ちッ。冒険者ってところか。どこのギルドが依頼を貼ったか知らねぇが運のない奴らだな。お前ら全員ここで死ぬんだからな!」
「そいつはどうかな?」




