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盗賊は腰に携えていた二本の短剣を抜き、俺達の動きを警戒しながら、にじりにじりと寄ってくる。
「ルシュキー!」
「わかってる!」
俺の合図でルシュキーが前へと出て、盗賊の目の前へと出る。
俺はその隙に、盗賊の左後方より回り込んで、盗賊の足を狙う。しかし、その攻撃はひらりと避けられる。
「そんな見え見えの挟撃に引っかかるかよ!」
盗賊は嘲り、避けたと同時にルシュキーへと襲い掛かる。
「舐めてもらっちゃ困るぞ!」
ルシュキーはそう言って、盗賊の短剣を篭手で受け止める。
「なッ!?」
盗賊が驚愕の表情を浮かべる。
「痛ってえええ!意外と痛いんだけどエズ!」
「そりゃそうだろ」
腕がジンジンすると騒いでるルシュキーを横目に盗賊に次なる一撃を仕掛ける。
「このガキがッ!」
隙を突かれ、後方からやって来た俺の攻撃をもろに食らう。
足の健を狙った攻撃は見事決まり、奴の機動を奪う。
なんとかなったなこれで。




