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「いきなり厄介な難題をぶつけるな?」
「この程度、楽勝だろ?」
勇者はそう言って、タバコを吸いニヒルに笑う。
「くそッ。癪に障るがやってやるぞ、ルシュキー」
「しょうがねぇな」
ルシュキーに声をかけ、武器を構える。
この間、目の前の盗賊は逃げ出そうとせずに俺達に相対したままだった。
「てめぇらどっから来やがった?さっきの奴らの残党か何か?クソガキ共がナメやがって。お前らが今いる場所がどこか分かってんのか?」
「藪の中でしょ?」
ルシュキーが何を当たり前のことをみたいな感じで答える。
その答えは的外れであり、目の前の盗賊は馬鹿にされたと思い、さらに怒りを加速させる。
「身の程知らずが。俺らの本拠地だよ!ここをてめぇらの墓場にしてやんよ!」




