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「くッ!エズ、大丈夫か!?」
藪漕ぎをしていたら、いきなり剣で目の前の空を斬られる。
「ああ、なんとかな」
「てめぇら何者だ!?どっから来やがった!」
攻撃してきた人物はお目当ての盗賊だった。
だが、その数は予想に反して一人であった。おそらくこいつは本隊ではない。はぐれだろう。
「で、勇者さんよ。盗賊は居たわけだが、これからどうすんだ?」
勇者にそうたずねると、勇者は懐から新たなタバコを取り出して火をつけ、余裕の表情で一服する。
「ふぅ。ちょうどいい。お前らで対処してみろ。周りは俺が見張っといてやる」




