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1-エズワルド・ズ・リグニッキャ

「え……。もしかしなくても、俺ってエズワルド?」


 とある日。庭の池に写り込んだ自分の顔を見て気づいた。

 自分が村人A以下のモブキャラであると。


「くそッ!何で今まで気づかなかったんだ!てか、10億!」


 くッ。急激に色々な事を思い出して、頭が痛む。


 ここはファンタジーRPGの世界。そして俺は、そんな世界の街の片隅に、ポツンと配置されたただのモブ。

 名前こそあれど、露出度は村人Aに負ける。


 ゲーム本編に全く関係ないモブキャラ――それこそが、エズワルド・ズ・リグニッキャこと俺だ。

 そんな大切な事に、10歳になってから気づくなんて!


「はぁ。一先ず、状況を整理しないとだな」


 死んだと思ったら、気づいた時にはエズワルドとして新たな生を受けていた。

 さっきまでは、前世の事を思い出せなかったが、今ならはっきりと思い出せる。


 あんにゃろ……。ゴキブリ共!絶対ぜってぇ許さん!


 ……閑話休題。


 さて、ここは先ほど言ったように、ファンタジーRPGの世界である。

 そして、ご多分に漏れず、剣や魔法といったモノが存在する。


 こっちに転生してから今までは、父が街の領主で忙しく、母が産後の肥立ちが悪くて流行り病で亡くなった影響か、一人で父の蔵書ばかり読んで過ごしてきた。


 ま、今はとある出来事がきっかけで家から放逐されて、タチャーナというメイドと俺の二人だけ別邸で暮らしているのだが、やってる事は変わっていない。


 ここらへんの幼少期に関して特に思うことは無い。

 ま、貴族の四男なんて、そんなもんだろ。


 そうそう、ゲームで描写されていなかったが、兄貴が三人いる。といっても、あまり関わったことはない。


 てか!兄貴が三人もいたんじゃ、せっかくの貴族の息子でも10億と釣り合い取れてないだろ!


 し・か・も・だ!

 思い出したけど、この街ゲーム後半で滅びるし!


「はぁ」


 思わずため息が漏れる。


 エズワルドが登場するこの街――リグニッキャは、ゲーム後半でラスィーツィカ帝国との戦争により壊滅する。


 ストーリー的にお先真っ暗という訳だ。


「……ま、実はそれに関しては無問題(モーマンタイ)だけど」


 リグニッキャの街が壊滅した後、俺がゲームに登場する事はないのだが、エズワルドの生死自体は不明だ。

 なぜなら、エズワルドはモブ故にそんな大層な専用ストーリーはないからだ!


 つまり、観測されてないなら生死は分からず、シュレディンガー状態で好き勝手できるって訳!


 それに実は生前の俺は、このゲームをプレイした事がある。

 なので、その時の知識を活かせば、リグニッキャ壊滅くらい余裕で乗り越えられる。

 なんならこの世界で失った10億の元を取ろう!


 って言ってもこれからどうしようか?


「ん〜。リグニッキャは滅ぶし、比較的安全な王都にある学園に通うか?」


 直接ゲームのメインクエストの進行に関係はないが、専用のストーリーと多くのサブクエストが用意されている王都の学園。


 大抵のプレイヤーが、様々な魔法やスキルといったものを取得する為に訪れる。

 また、仲間を作ったり、ゲームに複数候補いるヒロインを攻略するなど色々な要素が詰まっている。


 そこにモブキャラとして殴り込みをかけてやろう。


「しっかし、学園に行くとなると色々問題があるけど、一番の問題は金なんだよな」


 この学園、ゲームでは専用のサブクエストをこなす事で入学出来るのだが、その時に結構な資金が必要になる。


 俺は貴族だが、父さんが学園に必要な資金を払ってくれるとは思えないので、自力で学園費用を賄う必要がある。世知辛い。


「よし!手始めにゲーム知識でいっちょ金策するか」

ここまでお読みいただき、ありがとうございます!


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