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「まあな」
勇者と呼ばれる彼は不敵に答える。
「なら、それを俺らに教えてくれないか?」
「それは今日って事か?」
「できれば……」
「なら掛かってこい」
そう言って、手招きしてくる。
いや、まさかのいきなりかよ。てか、ここですんのかよ?
「どうした?怖気付いたか?素手でも剣でも好きにこい」
「なら……」
その挑発に乗って、短剣を勇者目掛けて突き進む。
だが、その狙いはひらりと躱され、後頭部に重い一撃を貰う。
「いってぇ!」
「なる程な。対人戦しなれてないな。いや、ある程度は経験してるんだろうが、殺し合いってのを理解してないタチだな。じゃ、続きは明日だ」