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夜、ふと目が覚めた。
疲れ切ってるはずなのに妙だなと寝ぼけながらに思ったが、その時に廊下を人が通る気配がした。
こんな夜中に妙だ。寝ぼけてるのか?とも思ったが、その気配が、使用人部屋に向かい、嫌な感じがしたので追うことにした。
「こんな夜中に出歩くなんてどうした?トイレか?」
追っていった先で見つけたのはティボー出会った。
「よりにもよってエズ様に見つかるっすか」
「おいおい?何やら物騒だな。もう夜も遅いしティボーもちゃんと寝ろよ」
「エズ様はいつまであいつを近くに置いとくつもりっすか?」
「一体何の話だ?」
「あの盗賊の女っすよ」
そういうティボーからは、あの時のヌワルリェスの時の気配を感じる。
「スサンナの事か?あれは俺じゃなくてタチャーナに聞いてくれ。それと、どうのこうのする気ならただじゃおかないからな」
「そうっすか。大人しく今日は引き下がるとしやすか」
そう言ってティボーは引き下がっていった。
スサンナの言っていた事はこういう事か?ティボーはまだ敵と認識してるのか。
これは拗れそうな予感がする。