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「エズ様。ご夕飯の支度が出来てますので、早く着替えて来てください。旦那様もお待ちですよ」
ティボーに負かされて、ルシュキーと二人で天を仰いでいると、タチャーナが呼びに来る。
どうやら、夕飯の支度が出来たらしい。
そういえば、もうそんな時間だったなと思ったが、疲労困憊で身体に上手く力が入らない。
「あ〜あ。負けちまったな、エズ」
何とか立ち上がったルシュキーが悔しさを滲ませて呟く。
その気持が痛いほどわかる。正直、勝ちに行ってガチでやった。
だが、ティボーの方が上手だった。
それに、自分達の実力がまだまだだと言うことを痛感させられた。
「ルシュキーさんも、着替えを用意してありますので、ぜひ。それと、ティボー。さっさと着替えて来なさい」
「ちょ!何で俺だけそんなぞんざいな扱いなんすか!」