162-共闘
「ルシュキー」
愛用のショートソードを模した練習用の模擬刀を構え、地面に突っ伏しているルシュキーに声をかける。
「んあ?何だよ一体」
「ティボーの強さは俺が一番よく分かってる。一人で行ったて勝ち目はない。今、お前も経験しただろ?」
「ああ。身体でもろに実感させられたよ。くそッ。メシ食いに来ただけなのにあちこち痛えぜ」
「それはご愁傷さま」
ま、こいつはちょっと痛めつけられるくらいが、ちょうどいい。
毎回うちでタダメシ食い過ぎなのよ。
「それはさておいてだ。ルシュキー。武器を構えろ」
「一体どういう……?」
「一人で行って無理なんだから、二人で行くぞ。何、簡単な話だ。いつもダンジョンでやってる事と同じこと」
「なるほど。そう言うことなら話は早い。叩きのめされた借りは早いうちに返すに限るぜ」
ようやく地面から起き上がって再度武器を構える。
「相談は終わったすか?なら、さっさとかかってくるっすよ」
ティボーが退屈そうに欠神して、こちらに挑発を仕掛けてくる。
けッ。この戦闘狂め。そうやって余裕そうにしてられるのも今のうちだけだ。
「リグニッキャの頃と一緒で、バーリトゥードでいいんだよな?」
「何でもいっすよ」
「そうかよ。行くぞ!ルシュキー!」
「任せとけッ!これが終わったらとびっきりのメシを頼むぞ!」
「そのくらいなら確約してやる!喰らえッ!『ライトニングショット』」