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「エズ様?最近、スサンナをよく連れ出してますね?」
家に帰るとタチャーナから不意に最近の事について聞かれる。
「連れ出してるけど、それがどうかしたか?」
「お連れになる分には構いませんが、スサンナを戦闘に使うのは出来ればおやめください」
「ん?一体それはどうしてだ?」
今日もダンジョンにスサンナを連れて行ったので、タチャーナからこういった事を言われるのは、結構驚きである。
しかし、タチャーナにこう言われると、正直俺としてはどうしようもない。
何故ならスサンナの立場は実はタチャーナの奴隷という扱いなのだ。
そして、タチャーナは確かに俺の世話係のメイドだが、仕えているのは俺ではなく、リグニッキャ家であり、しかも俺の目付も兼ねている。
だから、そんなタチャーナにスサンナを戦闘に使うなと言われれば従う他ない。
「理由は単純です。スサンナに戦闘は向きません。どうしてもというのなら、後方職でお使いください」
「確かに、今日も全然戦闘はダメダメだったけど、そんなに言うほどか?だって元は盗賊だぞ?」
俺がそういうとタチャーナが鋭い目線で答える。
「エズ様のその先入観は危険なものですよ?スサンナの本質をもっとよく見るべきです。では、この件はこれで」
そう言ってタチャーナは立ち去ろうとする。
う〜む。何か悩ましいという感じだ。スサンナは盗賊だったけど、俺の考えが間違ってるのか?
スサンナの本質って言われれば全然見てこなかったし。
おっぱいがいいことくらいか?
「あ、それとお伝えし忘れてましたが、来週から旦那様がいらっしゃいます」
は?嘘だろ?聞いてないんだけど?