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「結局、手伝う羽目になるのかよ」


 俺の指名依頼である迷い猫探しを手伝う事になったルシュキーが、肩を落としながら愚痴る。

 ま、今日のルシュキーは珍しく勝ってたから、そうなるのも無理はない話だ。


「すみません!ルシュキーさん。わざわざ手伝わせちゃって」


「ぜッッッ、ぜん!大丈夫だよ!スサンナちゃん。悪いのはそこにいるエズだから」


「全部、俺が悪いみたいに言ってるけど、スサンナの涙目に釣られてついてきたのはお前だからな」


 事実を指摘するとルシュキーがバツの悪そうな顔をする。


 はぁ。こいつはこれだからな。ギャンカスで女に甘くて……それを差し引いても有能なのが困るんだけど。


「ッ、でもその原因を作ったのはエズだから結局エズが悪いじゃん」


「俺も好きでやってるわけじゃない。それもこれもこの猫が見つかんないのが悪い」


「そうだよそれ。気になってたんだよ。何でそもそも猫なんか探してるんだよ?」


「そりゃギルドからの指名依頼だからな」


「ギルドからの指名依頼?猫探しがか?そんなの断ればよかっただろ」


 確かに、普通ならそうしただろう。

 ギルドの指名依頼は、依頼主が冒険者を指名して依頼を出すものだが、これを断ったところで罰則は無い。

 なので、忙しい冒険者は他の依頼と吟味して断る事も多々ある。


 ま、大体の指名依頼は他の依頼と比べて報酬面などで優れているので、大体の冒険者は余程の事がない限り受けるが。


「普通ならそうだろうな。俺も最初は断ろうと思ったさ」


「じゃ、何で断らなかったんだよ?」


「依頼主がヴェルソア公だから」


「は?」


「依頼主がヴェルソア公だから」


「聞こえてるよ。いやいや、何でヴェルソア公から猫探しの指名依頼が来てんの?」


「そりゃこっちが聞きたいよ」


 何でヴェルソア公が猫探しの依頼をギルドに出すかね。

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