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「お邪魔します!」
「邪魔するなら帰ってくれ」
結局、ルシュキーを引き剥がす事が出来ず、まんまと家まで侵入されてしまった。
微かな期待を込めて帰ってくれと言ってみるが、当然そんな事で帰るわけもなく、家に上がってくる。
「エズ様?いくら相手が平民だからと言って御学友様にその態度は失礼ですよ」
タチャーナに俺の素っ気ない態度を嗜められる。
少し不服だが仕方ない。タチャーナはルシュキーとは今回が初対面なのだから。
こいつの図々しさを知ったら、甘い態度を見せようとは思わないはずだ!はずだよね?
「あ、ルシュキーなのだ!久しぶりなのだ!生きてたのだ!」
「おいおい、俺の事を勝手に殺さないでくれ」
ちょうど歩いて来たリュボスが、ルシュキーを見つけるなり飛びついて行く。
それをルシュキーは難なく抱っこして受け止める。
くそ!何で懐かれてやがるんだルシュキーの野郎。
リュボフとルシュキーは、シュトルツァの一件依頼のはずなのに。
何だこの疎外感!ここは俺の家だぞ!
……壁際にいるスサンナがこの光景を見て謎のドヤ顔をこちらに見せて来る。
こいつ……ッ!あとでお仕置きしてやる!