12-今後の戦略
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「ふ〜。食った食った。満足、満足」
「うまかったのだ!ごちそうさまなのだ!」
タチャーナに調理してもらった、ウサギ料理で腹が満たされて幸福感に包まれる。
これも塩コショウのグリッチが通用したおかげだ。
猫の口に合うかどうか分からなかったが、フェルナンもウサギ肉に満足した様で、毛繕いしている。
「どうぞ、エズ様。お茶です」
「ありがとう。と、その前に。ここを片付けてしまおう」
「なら、エズ様はゆっくりしていてください。その程度、私とリュボフでやりますので。ほら!まったりくつろいでないで、行きますよリュボフ!」
「えぇ……。ボクもやるのだ……?」
夕飯で満足して、リラックスモードに入ってたリュボフは、思ってもいない仕事が急に入って、しょんぼりとうなだれる。
うなだれた姿が、耳をぺたんとして尻尾がしゅんと下がっていて愛らしい。
思わず抱き着いて、もふもふしそうになるくらいだ。
「わがまま言ってもダメですよ。仕事はちゃんとしてもらいますからね」
「むぅ」
タチャーナに打ち勝てないと悟ったのか、リュボフは渋々と周りの食器を片付けて、タチャーナの後を追ってキッチンへと向かっていた。
キッチンへ向かっていく際、ずっとしょんぼり顔で尻尾を引きずって行く様子が、とても可愛かった。
もふもふしたい欲が高まるが、仕事の邪魔になるので、理性を総動員してなんとか耐える。
それを気取られぬ様に、タチャーナが置いていったお茶を一口、口に含んでリラックスする。
ふぅ。なんとか理性を取り戻してきた。てなわけで、この時間を利用して、今後を考えていこう。
まず、当面の目標は学園に入学することである。
そのために莫大な金銭が必要なので、金を稼ぐ方法を現状欲しているわけだ。
父が学園にかかる費用を負担してくれれば、一瞬で問題は片付くのだが、ご存知のとおり父は何を勘違いしたのかリュボフを俺に渡したのだ。
てなわけで、自力で稼がなくちゃならない。
だが、サフィレット交易による金策は失敗したため、他の方法を実行する必要があるが、手段があまりない。
検討した他の手段は、大金を稼ぐためにある程度のまとまった資金が必要だったり、貴族の子供という身分では行うのが難しかったりするのばかりだ。
今、出来ることは複製魔法で、地道に増やすくらいだ。
「いや、そういえばあるな稼ぐ手段」
少し難しいが、ゲームで存在した冒険者ギルドで冒険者の登録をして、クエストで稼ぐ手段がある。
まだゲーム開始前なので、どこまで知識が通用するか分からないが、リグニッキャにはそれなりに稼げるクエストが存在しており、またその攻略法も知っている。
ただ、この方法の難しい点は、今の俺の実力では大きなクエストを受けれず中々稼げないということだ。
なので、まずは冒険者ギルドで登録して冒険者となって、コツコツと依頼をこなしてランクを上げ、大きなクエストを受けれるようにしなければならない。
そして、大前提としてだ。冒険者となって稼ぐには、ゲームのモンスター共に負けない力が必要不可欠だ。
そのためには、俺自身が強くなるしかない!つまり、筋肉増強する必要があるのだ!
今後の戦略が決まれば話は早い。一流の冒険者目指して筋トレするのみだ!
とその前にだ。
「わわ!ご主人いきなり何をするのだ!」
結局、理性なんてものは軽く吹き飛んだので、片付けが終わって一息ついていたリュボフを捕まえてもふり倒す。
「むぅ!ご主人手つきがえっちなのだ!やめるのだ!」
くッ!これ以上やるのはリュボフに嫌われてしまうからやめておこう……とはならずそのままもふり倒した。
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