10-リュボフ
家に帰って早々、正座をさせられていた。
理由は単純でフェルナンに続き、父からイヌの少女を貰ってきたからだ。
付いてきた少女もなぜか一緒に怒られている。
「はぁ。まぁ、理由はわかりました。今回は私が折れましょう。そのかわり、その子の面倒もちゃんとするんですよ?」
許しを得ることに成功した。
「ところで、その子の名前はわかるんですか?」
「そういえば聞いてなかった。おい、名前はなんていうんだ?」
「なまえ?ボクはリュボフ!」
「らしいぞ?」
「では、リュボフ。こちらで着替えましょうか?」
リュボフと名乗ったイヌの少女はタチャーナに連れて行かれてしまった。
しばらくして帰ってくると、タチャーナと同じメイド服を着て戻ってきた。
違いといえば、首元に奴隷の証である首輪があるかないかだけだ。
てか、これはどういうことだ?ゲームじゃ奴隷なんていなかったけどな。
う~む。そこらへん、深く考えるだけ無駄なのかもしれない。
「これはどういうことだ?」
「人手も足りなくちょうどいいので、リュボフには我が家のメイドとして働いてもらいます」
「だそうだ?リュボフわかったか?」
「わかった!」
元気よく挨拶するリュボフ。ま、これが一番無難なのか?
リュボフは早速仕事をタチャーナに教えてもらっている。
俺のやることがなくなってしまった。あ、そうだフェルナンが家の猫だと分かるようにしておこう。
ちょうど中庭にいたフェルナンを捕まえてリグニッキャ家の家紋が入ったスカーフを巻く。
マイクロチップなんていう便利なものはないからな。一先ずこれで大丈夫だろう。
そのままフェルナンをもふもふしてストレスを発散する。その光景をリュボフがちょっと羨ましそうにみている。
なんだ?もふもふしてほしいのか?
さて、もふもふするのはここらへんにして街へ出かける。
街へきた理由は単純だ。新しい家族の為に美味い食材を買いに来たのだ。
ま、俺の筋肉を成長させる為でもあるが。
食材を扱う店を数軒物色する。その中の一つにジビエが売ってあった。
「お、旦那。買ってくかい?」
うさぎ肉が置いてある。無論、前世で困窮して捕まえて食ったが、そこそこ美味いんだよな。
「うさぎが気になるかい?昼前に獲った新鮮なうさぎで下処理は完璧だぜ?買うなら一羽大銀貨一枚だ」
「なら四羽もらおう」
ポケットから金貨を取り出して店主に支払う
「あいよ。それじゃうさぎ四羽と大銀貨六枚返しだ。また来てくれよ!」
威勢のいい挨拶とともに品物を受け取る。とりあえず、俺とタチャーナとリュボフ。それとフェルナンの分を買った。
さて、今日の夕飯はうさぎ肉だ!夕飯の支度に間に合うように帰ろう。
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