20話 提案2
タイトルを変更しました。ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません。
回帰前、私とハノーヴァーが親しくなったころ、我は心中を吐露した。
彼が少年の時の話だ。そう、それは現在まで根強く彼を侵食している出来事のことだった。
牢屋で、彼は当時のことを懺悔するかのように私に告げた。
「なんでだろうな。あんたにはなんでも打ち明けてしまいそうになる」
そういって、苦笑いを浮かべていた彼のことを思い出す。
幼少期から彼の親友だったコーラルという幼馴染のこと。コーラルという彼と同い年の男性は、腐れ縁とも言える中で彼の良き理解者のようだった。
彼には年配の叔母ダリアという女性がおり、その人が今まで亡き両親の代わりに彼を育ててくれたという。
ハノーヴァーもコーラルがいない時に、ダリアから時々「あの子のことをよろしくね」と食べ物を分け与えてもらっていたらしく、彼女のことをいたく気に入っているようだった。
ダリア、コーラル、そしてハノーヴァー。彼らはとても良い関係性を気づいていたようだった。
そして、コーラルとハノーヴァーの2人が闇ギルドを立ち上げ、順調に行くかと思われたその時、悲劇が起こった。
ハノーヴァーたちのギルドを敵視するとあるギルドがダリアを誘拐し、それを口実にコーラルを脅していたのだ。
コーラルはハノーヴァーにはダリアはもう亡くなったと告げていたが、1人で彼女を救出するため孤軍奮闘していたらしい。
彼は稼いだ金銭や情報をその闇ギルドへ横流しにしたりなど、ハノーヴァーからしてみれば裏切りとも呼べるようなことを色々としていたようだが、ハノーヴァーはどうしても彼を責めることができなかったようだ。
そして、以前の彼の話を照らし合わせてみると、どうやらもうその話は始まっているようだ。
現在、すでにダリアは捕えられ監禁されている。そして、ハノーヴァーはそれを知らない。ただ、ダリアはすでに亡くなったと思っているのだろう。それが真っ赤な嘘だということも知らずに。
長期間にわたってダリアは監禁され、コーラルは辛い思いをしていたにも関わらず、俺は築くことができなかったんだ、とポツポツと話す彼への胸の痛みをまだ私は覚えている。
「コーラル。それがハノーヴァー、あなたの親友の名前ですよね?」
この話において、ダリアが助かれば、まだ救いはあった。しかし、彼女の末路は、監禁された地下での病に犯された末の餓死とそれはもう酷いものだった。
そのことはしばらくの間はコーラルには告げられずにいた。しかし、ひょんなことから闇ギルドの人が話していたことをコーラルが聞いてしまったらしい。
ダリアが死んだことも知らず、ただ親友とも呼べる間柄の人物を裏切り続けた彼は、ハノーヴァーにそのことを告げると自害した。
そう、それがこれからハノーヴァーに待ち受ける出来事である。
「コーラルの祖母、ダリアは生きています」
それならば、それを変えればいいだけのことだ。
私はただハノーヴァーの動向を観察していた。




