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075 何かな・・・

 着陸した『サンフロワー8』から小型機で温泉に向かう十色達・・・


 紅葉が始まっている山肌の一部が削られているのを見て、

「ふじ、あれはスキー場か?」


「はい。 現在スキー場の造成中です。 ダーウィンと季節が逆になるので、それに合わせたレジャー施設を作っています。」


「ああ、意識してなかったけど、北半球と南半球だから季節が逆転するのか・・・ 特別感が有って、観光には良いかもしれないね。」


 そうこう言っているうちに小型機は温泉施設へと到着し、十色達はくつろぎタイムへと・・・

 そして、時々ダーウィンに顔を出したりしながらくつろぐこと5年・・・

 ついに第104囮艦隊本隊のアップデート及び部隊改編が完了した。


「5年で仕上げたか・・・ 流石だなふじ、もう出せるのか?」


「はい。 出られますか?」


「ああ、1年前に報告が有った場所に行こうじゃないか・・・」 


「はい、了解しました。 しかし、司令自らの遠隔指揮で調査は既に終了していますが?」


「ああ、すまないが気掛かりな事が有ってな・・・」


 こうして、新生第104囮艦隊は太陽系から飛び出していった。

 今回のアップデートでセンサー類と推進器関係も強化されたことにより、艦隊の移動速が上がったが・・・ それでも到着までに45年近くかかった。


「司令、到着しました。 どうなされますか?」


「もう一度調査を行う。 どう考えてもおかしい・・・ こんな何も無い空間にポツンと1つだけ小惑星が・・・ しかも月と同じ大きさとか・・・ そもそも前回の調査で何も出なかったが、あの穴はどう考えても人工物だろ? 深さ1500Km、直径10Kmだぞ?」


「はい。 確かに自然に出来たとは思えませんが・・・ 」


「よし、艦隊でこの小惑星を囲んでくれ。 穴の調査中、地表に変化が無いか精密観測を続けてくれ。」


「はい。 艦隊各艦、小惑星の軌道上にグリッド配置の為移動を開始しました。 30分で完了の予定です。」


「次はステルス機を穴に送り込んでくれ、100Km毎に1個小隊を配置しパッシブでの観測を開始だ。

 全ての用意が出来たら、UAVで穴の底にプローブドローンを送り込むぞ!」


「はい、了解しました。」


 こうして、前回とは違い大掛かりな調査の準備が・・・ (前回の20隻に対し今回は6万隻以上、調査の範囲も密度も、それこそ桁違いであった。)


 やがて時間になり、UAVがゆっくりと穴の底へと・・・ それを眺めながら、

「なぁふじ、『富士』で穴に入って行ったらダメかな?」


「 ・・・はい。 ダメです。 司令には安全に配慮した行動を行ってもらいます。」


「ほら、でもさ・・・  実際に行ってみないと分からない事もあるしさ・・・ 」


「はい。 それでもダメです。」


 そして時間になり観測が始まる中、UAVは穴の最奥に到着した。


「早速調査を開始しよう。 プローブドローンを展開、穴底の精密な3Dマップの作成からだ。」


「はい。 ドローン展開中、マップの作成作業開始しました。 終了まで約1時間です。」


「では、少し休憩でもするか・・・ ふじ、何か軽くつまめる物が欲しいな。」


「はい。 直ぐにお持ちしますね。」


 そうしているうちに3Dマップが完成し、早速艦橋中央の3Dディスプレイに表示された。


「ふじ、前回の調査開始時に作成した3Dマップをオーバーレイ表示し、違う箇所を赤色で表示して。」


「はい。 前回のデータを表示します。」


 そこには赤色の部分が全く無い、全く同じ映像が重なって映し出されていた。


「不味いな・・・ 前回調査した部隊に緊急連絡、穴底で汚染された可能性が高い、ドローンやUAVから母艦も汚染されている可能性が有る。 母艦は直ちにコアブロックを射出、船体は遠隔操作で一番近い恒星に突っ込ませろ。 他にも接触の可能性が高いと判断される艦が有れば同じ処置を実行せよ。

 それと、射出されたコアブロックには接触禁止だ。 残りの艦船で保護と観測を続けてくれ。」


 ふじは、命令通りに連絡をしつつも・・・

「司令?」

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