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073 ちょこっと火星

「テスト期間は5万隻で運用してもいいのではないでしょうか、本採用になった時に1万隻ずつに分け、編成替えの部隊と順次入れ替えて行けば良いかと・・・」


「そうか・・・ 難しく考える事もないか・・・ よし、101護隊はそれでいいとして、残りの部隊は敵テクノロジーによるアップデートを行う。 第1~第3護衛隊群を優先して改修を実施、改修が終わりしだい第2護衛隊群をテラⅡへ、第3護衛隊群を星団連盟へ派遣、現地到着後に既存の現地部隊のアップデートを現地で実施せよ。」


「はい、了解しました。 後はお任せください。」


「ああ、頼んだよ・・・ 全艦船のアップデートは数百年掛かるだろうし、新護衛隊標準編成 (仮)が正式に採用されれば、千年はかかるだろう長期計画だからね。 基本的な事は全て任すよ。 さて、後は火星に行きたいのだが・・・ 『富士』は改修中だからね。 手頃な船は有るかな?」


「はい。 でしたら『仮装巡洋艦 サンフロワー8』はどうでしょう。 太陽系内でしたら地上施設の維持管理に支障ありません。 バイオロイド端末の私も遠隔リンクでご一緒出来ます。」


 そして1週間後、十色は『サンフロワー8』で火星に来ていた。

 高度を下げるにつれ、地表には着陸パットを2つ持った小型の宇宙港が見え始め、そのすぐ近くには明らかに人類の物とは異なったデザインの建物が・・・

 

「ほぉー あれが火星人の地下コロニーへの出入口か・・・ 大型のハッチみたいなのを想像していたけど、何かシイタケを逆さにしたような形だな・・・ で? 追加の支援物資に問題はなかったのか?」


「はい。 今回は耐圧性能にも余裕を持たせましたので大丈夫です。 後、ここからは見えませんが、地下コロニーへの出入口と宇宙港の中間地点の地下に共同研究・開発の為に研究所が存在します。 以前からの問題点である重力制御の高出力化を共同で研究しています。 エネルギーシステムの方は試作機の実用試験まで進んでおり、中々の好成績を収めています。 もう直ぐ実用化できそうですが、このエネルギーシステムは使用できる環境が特殊なので、運用方法についてはまだまだこれからです。」 (火星人からもたらされたエネルギーシステムは圧力をエネルギーに変換するタイプで、宇宙空間で艦船に搭載するものでは無い。)


「そっちは老人達に回しておけばいいよ、何か考えてくれると思うから。 後、火星関係で何か有るかな?」


「はい。 以前の反省を踏まえ、地表や宇宙の観測が出来る様にしたいとの事です。」


「観測データはこちらから定期的に送っているけど、自分達でも独自に集めたいって事かな?」


「はい。 それで間違いないかと・・・」


「それなら、プローブドローンとその制御システムを渡して・・・ 後は独自に改良して使うだろうから。」


「はい、了解しました。 早速手配いたします。」


 こうして火星の様子を見終えた十色は、次の目的地スペースポートダーウィンへと向かった。

 艦橋から外を眺めながら、ふと十色が・・・


「ふじ、火星人の元母星はどうなった? 時間的には特別捜索隊がとっくに到着していると思うのだが・・・」


「はい。 先発の3個捜索隊は残念ながら目的の星を発見出来ていません。 現在は捜索範囲を拡大して捜索を続けています。

 後発の2個捜索隊は『ファースト』艦隊の監視で暫く足止めされていたので、まだ予定宙域に達しておりませんが、こちらは敵艦隊の航跡をたどって行っているので発見の可能性が高いかと・・・ 」


「そうか・・・ そういう意味でも作戦中止にして正解だったようだな・・・ 」


 時は過ぎ、『サンフロワー8』は着陸パットへと・・・


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