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072 各テスト

 テスト項目は順調に消化された。 同技術レベル、同艦種、同数の従来型の部隊との模擬戦では、損害無しで完勝して見せた。

 新編成の特徴としては、従来の何倍にも強化された防御力とレーザー砲が使用できない状況下での対艦攻撃力の強化が目立つ。

 又、当初の懸念事項である。 総合火力の低下についてだが・・・ (数字の上では約2割低下)元々小口径のレーザー砲は敵のシールドで無力化されていたので、実戦では問題無いと判断された。


 その後もテスト艦の改修 (搭載機器を従来型から新型へ換える等)や編成替えによるテストを繰り返し、運用法が確立した事で、グループシステムの採用が決まった。

 この時、空母や軽空母も編成に入れてテストしたが結果を残せず標準編成の戦闘艦から外される事となった。 今後は支援艦に分類され、各種作業艇の母艦か、捜索隊の支援艦としての偵察機母艦として運用される事になった。


 新護衛隊標準編成 (仮)は、重戦艦×1隻、戦艦×2隻、巡洋艦×3隻、駆逐艦×4隻となり、重戦艦に2基のバイオコンピューターを搭載し、1基を重戦艦のコントロール、もう1基を残りの9隻のコントロールに専念させる事とした。 (重戦艦に搭載する2基のバイオコンピューターは、距離を置いて設置する事で一度に破壊されることを防ぎ、1基だけでもグループ全体のコントロールが出来る様になっているが、パフォーマンスは低下する。)


 新捜索隊標準編成 (仮)は、重戦艦×1隻、戦艦×2隻、巡洋艦×3隻、駆逐艦×4隻、支援艦船×10隻となり、重戦艦に3基のバイオコンピューターを搭載し、1基を重戦艦のコントロール、もう1基を残りの戦闘艦のコントロール、残り1基を支援艦船のコントロールに専念させる事にしてあり、捜索隊の新たな部隊編成の基本となる事を期待されている。


 これにより、今までの1隻に1基バイオコンピューター体制から、10隻に2基バイオコンピューターや20隻に3基バイオコンピューターとなり、艦船の増産がしやすくなった。 (バイオコンピューターは製造後、約1年の教育で最低限の任務を熟せる様になるが、200年で一人前とされており、この事が大量生産のネックになっていた。)


 編成替えによる改修をどうするかだが・・・ 

 巡洋艦と駆逐艦の通常型ユニットの使用を止め、簡易型ユニットを基に改修する事になり、今後この2艦種には人やバイオロイドが乗らない事とした。 (生命維持関係や居住関連の設備が標準装備の通常型より、中がスカスカの簡易型の方が液体防御層の設置が容易である。)

 そして、武器システムのユニットを大幅に削減、替わりにジェネレーターユニットやスラスターユニットを増やした。

 戦艦については、武器システムのユニットの一部をレーザーからレールガンタイプに変更、更には通常型ユニットを半分以下に減らし、簡易型への変更と液体防御層の設置が行われた。 (必要に応じて人を乗せる可能性を考え、必要最低限の居住システムは残された。 又、通常型ユニットには外部追加装甲として液体防御層が取りつけられた。)

 最後に重戦艦だが、コアユニットの追加と一部兵装の変更、外部追加装甲の増設と、改修部分が一番少なかった。


 第101護衛隊は今後、このシステムグループを採用した新護衛隊標準編成 (仮)によって再編成され、大規模運用テストが行われることになり、合わせて一部の捜索隊も新捜索隊標準編成 (仮)に再編され一緒に運用テストが行われる。

 テスト期間が1年になるか100年になるかは未定だが、此処で好成績が収められれば他の艦隊も順次編成替えが行われる。


 ただし、問題が・・・

 第101護衛隊のコアの数は1万、システムグループを採用すると艦数が1万隻から5万隻に増えてしまうのだ。


「ふじ、どうしようか・・・ 」


「はい。 そうですね・・・ 」

 

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