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053 大浴場

 元々この施設には、相手になってもいいと考えているバイオロイド達が集まっている事もあり、早速パートナーを見つける老人達だが、その姿はどう見ても介護される年寄りにしか見えなかった。


「司令、定時報告です。

 第104囮艦隊本隊、護衛隊群、捜索隊群共に異状なし。

 月面基地、新月面基地異状なし。 本日より新月面基地各施設は作動試験、及び運用試験を開始。

 火星地下コロニー、人員機材異状なし。 予定深度に到着、周辺地質の調査実施中。

 地球―テラⅡ―プラネット・星団連盟間、安全航宙路異状なし。 ただし、要望が上がっています。」


「ふむ、要望の内容は?」


「はい、安全航宙路の複線化による監視区域拡大もあり、監視・パトロール艦艇の増援を求めています。」



ーー安全航宙路の説明ーー


 航路内の安全を専任部隊に任せる事で、艦船の限界速度以上での航行を可能にし、移動にかかる時間を大幅に短縮すると共に、衝突事故防止の為、加速・減速力と最高速度を統一し一方通行として運用している。

 当初、上りと下り1本ずつの2線を運用していたが、搭載量を減らし、推進機関を強化した専用艦を造り更なる高加速艦の為の専用航宙路を設置した。

 現在は上りと下り2本ずつの4線に増えている。

ーーーーーーーー


「増援か・・・ 月には旧第104囮艦隊の艦船や、発見した遺棄艦船を修理した物が保管してあったな。

 それらを全て増援に回そう。 旧式のコアだから機械式コンピューター搭載艦だが、バイオコンピューター搭載艦と組ませれば問題ないだろう・・・」


「はい、了解しました。 現在683隻の保管船が有りますが全部出しますか?」


「そうだね・・・ 旧第104囮艦隊旗艦『仮装巡洋艦 サンフロワー8』だけは残そうか、<スペースポート札幌>に記念艦として展示しよう。 後は全部出すって事で・・・ 」


「はい。 各艦準備出来次第出港、安全航宙路管理部隊に合流させます。」


「了解した。 それと、各国にも旧式艦の拠出が出来ないかの問い合わせを頼む。」


「はい、了解しました。」


 一通りの報告と対応を決めると、皆の状況を確認しようと施設内の見回りを・・・

「皆居ないな・・・ まだ部屋で休んでいるのかな? それなら私は大浴場に行ってくるよ。 今なら貸し切り状態だし、朝風呂もいいものだ。」


「はい。 御一緒しましょうか?」


「いや、貸切風呂じゃなくて大浴場の大きい湯舟に浸かりたいから1人で行って来るよ。」


 そう言って十色は大浴場に・・・


「って、でかすぎるわ! え、何この風呂、プールか?・・・ 湯舟何Kmあるんだよ!

 上から見た時に気付かなかったけど、どうやって造ってあるんだ?」


 大きすぎる風呂とそのムダに高い建築技術に圧倒され、いまいち風呂に入った気がしないまま部屋に戻った十色・・・


「ふじ・・・ あの風呂おかしくないか? 見た目と形はプールとしか思えなかったし、何より長すぎる。 何Kmあるんだ?」


「えっダメでしたか? 大きければ大きい程良いのかと・・・ 早急に作り直しますが、どの様にいたしましょう。 すいませんが、私では上手くイメージ出来ないみたいです・・・ 」


「そうか、普通ので良かったのだが・・・ 何処かで変なイメージが混じったのかな・・・ 後で参考データを渡すし、一緒に考えるから大丈夫だ。」


「はい。 よろしくお願いいたします。」


「ああ、任せてくれ・・・  それと、露天風呂が無いのはどうしてだ?」


「露天ですか? 衛星軌道上からまる見えですが・・・ 特に司令が入浴したら艦船が集まってくると思いますよ? 造ります?」


「そんな事はないと思いたいが・・・ 屋根を付けてもダメかな?」


「結構斜めからでも見れるので、あまり意味ないと思います。」


「そうか・・・ なら、しょうがないな。」


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