049 今度の話し合いは
この5年間は何だったのだろう。 順調にコンタクトが取れてしまった。
・ 富士でa1目標に並走する。
・ a1側のハッチから出て様子を見る。
・ a1のハッチが開いて相手が出て来る。 (宇宙服を着ているのでどんな姿か分からないが、とても小さい。 身長30cmぐらい。)
・ 字幕付きの映像資料が詰まった画面付きのメディア再生機を渡す。
・ しばらくすると、向こうからも似たような再生機を受け取る。
・ お互い資料から翻訳システムを組み上げる。
・ 互いの翻訳システムどうしで対話させ、整合性を高める。
・ あら不思議。 文字による翻訳システムの完成。
それからは情報の交換に勤しんだ。
「彼等は外骨格等から見て昆虫系の進化種族なのかな、表情が無いから感情が読めないね。」
「はい。 慣れていけば多少は分かるようになるかも知れませんが・・・ それより、彼等の乗り物が宇宙船でなかった事に驚いています。 まさか、突入カプセルとは予測できませんでした。」
「正直なとこ、我々の大気圏突入カプセルとは物が違い過ぎてびっくりだね。 我々のは大地に降り立つものだけど、彼等のは大地に突き刺さって地中に埋まるとか、思いもつかないよ。 長さの割にやたらと細かったのは、地面に刺さる時の抵抗を減らす為だったんだね。」
「はい。 彼らの生活形態は地中にコロニーを形成する事が第一段階で、地上に出てくるのは第二段階以降とのことです。 閉鎖空間で長い時間を生活できるよう彼等の突入カプセルには食料プラントや永久機関などが搭載されていて、補給が無くても生活が出来るようになっています。 実際彼等はカプセルの中で何世代も世代交代しながら生きてきました。」
「彼等は運がいいのか悪いのか・・・ 本来なら惑星の軌道上で母艦から発射され、大地に突き刺さるはずが・・・ 事故で母艦が失われ宇宙を漂流、母艦の爆発に巻き込まれなかったのは良かったけど、これではね・・・」
「はい。 突入カプセルですから、基本的に進むと止まるしかできません。 進路を変えれれば、どこかの星に降りる事も出来たのでしょうが・・・」
「まぁ何かの縁だ、我が艦隊で運んであげよう。 彼等に提案しておいてくれ。」
「はい、了解しました。」
それからも、十色はふじと一緒に彼等についての情報を整理していた。
・ 700~800年前彼等の母星は気候変動により住めなくなった。
・ 脱出艦隊は軌道上で攻撃を受けほぼ壊滅 (敵の正体不明)
・ 彼等の母艦は運よく生き延びた。
・ 200年後、母艦が原因不明の爆発事故。 突入カプセルを脱出艇代わりに一部の乗員が生き残る。
・ カプセルの中で世代交代がおこなわれ、今は第3世代が中心になっている。
そうしていると、彼等から返事が、
「司令、彼等の移住候補地のデータは母艦と共に失ったそうです。 彼等からは生活可能環境データが来ました。 この条件に当てはまる星へ連れて行って欲しいそうです。」
「そうか、うん? ふじ、火星の環境データと比べてくれ。」
「はい。 これは・・・ 彼らの環境データ、火星と適合します。」
「 ・・・誰かの手のひらの上で踊らされてる気分だ・・・ ふじ、火星のデータを彼等に送って問題無いか確認してくれ。 それと、到着に200~300年かかる事も伝えてくれ。」
「はい、了解しました。」
「派遣艦隊の基地建設の件もあるし、久しぶりに地球圏に帰るとしようじゃないか。」
「分かりました。 a1~a5を輸送艦に搭載します。」




