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029 旅立ち

 テラⅡの改革を始めてから1年、各AIの学習が終わったとして第18次避難船団の2度目の増強がおこなわれた。

 これにより十色はこの先、第104囮艦隊の支援の必要性は低いと判断して新たな避難船団を探しに旅立った。 もっとも、空間圧縮通信によって何時でもテラⅡとの連絡はとれるし、距離が離れてタイムラグが大きくなるまではバイオロイドを遠隔操作してその場の人々と交流することも可能だ。


「この1年なかなかに悪く無かった。 しかし、地球への移住者が居なかったのは残念だ・・・ 」


「はい、司令。 また頑張って人を探しましょう。 後、この1年私達への対応が御座なりぎみでしたからね。 早速今夜から・・・  頑張って下さいね。」


「お、おう・・・  さて、ロイド団長から教えてもらったポイントまでどの位だ?」


「はい。 10年程かかります。」


「分かった。 そこに第17次避難船団が・・・ しかし、見せてもらった通信記録からすると・・・」


「はい、通信記録を確認しましたが映り込んでいた背景や音から旗艦『摂津』は爆散したと考えられます。」


「ああ、恐らく旗艦だけでなく、船団まるごとやられているだろうな・・・」


「はい。 そしてそれをしたのが第3囮艦隊です。 送られてきていた映像を分析しましたが間違いないようです。」


「 ・・・シングルナンバーか、担当であった地球圏からの無断離脱、そして守るはずの対象を破壊・・・  何故だろうな・・・」


「それは分かりませんが、第5囮艦隊の罠ももしかしたら避難船団をおびき寄せるのが目的だったのかもしれません。」


「どんな事情があるかは知らないが、シングルナンバーが全力で地球を守っていれば壊滅を免れたかもしれないのだ! それに味方である避難船団への襲撃・・・ シングルナンバーを敵と断定する。全艦の敵味方識別装置のデータを更新しろ。 今後、奴らは最優先撃破目標だ!」


「はい、了解しました。」


「しかし、シングルナンバーは邪魔しかしないな。 この通信を受け取った他の避難船団は襲撃を避ける為に電波封止する事になり、これ以降の動きが分からないとは・・・ ロイド団長の話じゃ進路を予測されないよう電波封止後に各船団は進路を変えたみたいだしな・・・ 今思えば第22次避難船団があんな条件の良くない惑星の海中に移住したのも、シングルナンバーから隠れる為だったのかもしれないな・・・」


「はい。 もしそうなら彼等の全滅も間接的にシングルナンバーのせいですね。」


「ほんと、ろくでもないな・・・」


・・・

・・


「さて、情報収集は大事ではあるが、今回は偵察用の小艦隊は編成しない。 少数の艦艇では撃破される恐れがあるからな、1万隻で纏まって行動する。 なに、シングルナンバー艦隊の艦船数は多くても500隻に満たない。 我々の勝はゆるぎないよ。」


「はい。 しかし、艦隊がそこで確認されたのは1000年以上前の事です。 もう居ないのではないでしょうか?」


「ああ、居ないだろうな、でも万が一の場合を考え纏まって行動する。」


「はい。 ・・・司令、私達の事を大事に思ってくれる事は大変嬉しいのですが、我々にとって司令の事が最優先です。 先行偵察部隊の編制を進言します。」


「「・・・」」


「ふじ、私の判断は間違いだと思うか?」


「 ・・・はい。 私達の事を必要以上に大事にしすぎていると思います。」


「そうか・・・ よし、偵察用の小艦隊を編成する。 部隊編成と偵察行動計画はふじに任せる。」


「はい。 お任せ下さい。」

 そこにもう1体のふじが現れ、 

「それより、せっかく私達だけの生活に戻ったのです。 私達の日常を楽しみましょう。」

 十色を『まち丸』に連れて行った。


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― 新着の感想 ―
[一言] 地球人類の末裔を発見できたけど1日として起こしてもらえなかった老人達哀れだ。
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