表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/136

016 第5囮艦隊

「バカだな私は・・・ こんな事を見逃すとは・・・」


「司令、どういう事でしょうか?」


「センティネル級だ・・・ あのタイプの巡洋艦は1隻も避難船団には組み込まれていなかったはずだ。 それがあんな所を漂流とは、怪しさしかない。」


「すいませんでした司令。 私こそ当時の艦隊編成のデータが有りながら、漂流艦と結び付けて考える事に気がつけませんでした・・・ 」


「なに、今後は同じ過ちを犯さなければいいさ。 それで現場の状況は?」 


「はい。 偵察機との回線が繋がっていますが、3機のみです。 残りの3機については反応ありません。 完全にロストしています。」


「漂流艦と作業船はどうか?」


「はい。 作業船とのデータリンクが切れていますので詳細は不明ですが、偵察機からの映像から見るに、漂流艦はほぼ融解して消滅。 作業船2隻については大破漂流中の様です。」


「動力を完全に消失しているようだな。 コアユニット付近にも被害が出ているみたいだ・・・

 よし、支援艦船群分離、この場で待機。

 戦闘艦艇は、全艦全速前進、現場に近づくぞ! 作業船のコアの保護を最優先とする。」


「司令、お待ち下さい。 おそらく先ほどの巡洋艦は・・・」


「分かっている。 罠だとでも言いたいのだろう? 巡洋艦は餌だったのかもしれないと・・・ それでも行く! いいな?」


「はい。 御命令に従います。」


「すまんな・・・  」

「よし、全艦警戒態勢から戦闘態勢へ移行、武器使用自由。 繰り返す武器使用自由。 向かって来る物は全て吹き飛ばせ。」


 艦隊は危険を覚悟して現場へ・・・  すると十色が、


「各空母は全ての偵察機を発進、隠れている敵を見つけ出せ。 おそらくは小惑星帯の中に紛れているはずだ。 また、敵艦はエネルギーレベルが低いと思われる。 見落とさないよう気を付けて捜索せよ。」


「司令?」


「こんな何もない宇宙で獲物が罠に掛かる確率は幾つぐらいだ? 獲物が掛かるまで10年か?100年か? ・・・おそらく敵艦隊の乗員はコールドスリープ装置に入っている。 罠の発動信号を受信してからコンピューターが乗員の覚醒作業をしているはずだが、敵がセンティネル級と同世代の艦船なら乗員の覚醒に5時間程度かかる。 敵艦のエネルギーレベルが上がるのはそれからだ。」


「さすがです司令。 今なら先手を取れる可能性があるのですね?」


「そうだ。 誰にケンカを売ったか教えてやらねばな・・・」


 それから30分後、偵察機から艦隊発見の報告が・・・ そしてその内容を見た十色は・・・


「こんな所にいたのか・・・ お前らの事を忘れたことは無かったぞ・・・」


 発見されたのは第5囮艦隊であった。 地球圏担当のシングルナンバー艦隊が雲隠れしたせいで多大な迷惑を被った第104囮艦隊としては絶対に許す事の出来ない相手だ。

 

「奴らはまだ覚醒作業中のようだ。 全艦、第5囮艦隊をロックオン。 その場で待機せよ。」


「司令。 今なら一方的に敵を攻撃出来ますが?」


「 ・・・私はどうしても奴らに聞きたい事が有る。 何故地球を見捨てたのか? とな・・・」


 しかし、事態は思ってもみなかった方向へ・・・


「センティネル級巡洋艦が爆散してから何時間経った?」


「はい。 7時間程経過しています。」


「もう覚醒しているはずだが・・・ 敵に動きは?」


「ありません。」


「「・・・」」


「おかしいな・・・ 読みを外したか?  国際共通チャンネルで呼びかけろ。 戦術リンクにもアクセスしてみろ。」


「了解しました。 ・・・呼出しに応答なし。 戦術リンク入れましたロックされていません。」


「よし、艦内ネットワークにアクセス。 カメラの映像をモニター映せ!」


「はい。 一部のカメラしか動いてないようですが・・・ 映像出します。」


 そこには何一つ動くものの無い世界が・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ