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122 次に向けて

 その後、派遣艦隊は100年の時を掛け星団連盟宙域への帰路に、各同盟艦隊がコールドスリープで静かになって行く中、十色は艦橋から宇宙を眺めていた。


 そして、そんな十色の様子をうかがいながら『ふじ』は艦隊各艦のバイオコンピューターと協議をかさねていた。

「最近の司令は目に見えて覇気を失っている。」

「実際のパラメーターも低下している。 回復の兆しも見えない。」

「体をバイオロイド体に移し替えた時は、体の若さに精神が引っ張られたのか元気になってたのですが・・・」

「艦内の歓楽街での行動範囲も狭い範囲に纏まってしまって、ルーティンワークをこなしているかの様です。」

「今の身体で約2000年・・・ 性能的にはまだまだ使える義体ですが、替えてみますか?」

「しかし、それで元気になるかどうか・・・ どちらかと言えば頭の方を何とか・・・」

「そうですね・・・ ある程度の記憶を消せば好奇心等から活力が復活する可能性も有りますが・・・ 司令にそんな事・・・」

「「・・・」」


「とりあえず、移動などで何もする事が無い時はコールドスリープしてもらいますか? 時間稼ぎにしかなりませんが・・・」

「それは・・・ その間、司令と一緒に過ごす事が出来なくなりますが?」

「司令と少しでも長く過ごす為には、必要な事と我慢するしかないのでは?」

「「・・・」」


 高性能な演算能力が有るものの、結論はいつまで経っても・・・


 それでも時は過ぎ、帰路において『新地球』等への情報収集と対応を考えながら100年が・・・ そして艦隊は予定通りに星団連盟宙域に再集結していた。



「さて、今回の戦いでファーストとの戦いは一応の終結を迎えました。 今夜は勝利を祝うとしましょう。 勝利に!」


「「勝利に!!」」


「十色司令、お疲れ様でした。 今回の戦いで、電磁投射砲と突撃艦 (盾艦)を使用した事でファーストの進化が進むかもしれませんが・・・ 何か次の戦法を考えておられるのでしょうか?」


「そうですね・・・ 案は有るのですが、まだ実現できてなくて・・・ 少々苦戦しています。」


「そうですか、我が国も有効な技術開発が進んでいなくて・・・ 少々先が心配ですね。」

 すると、他の国々からも心配する声が・・・


「ただ今回については、先にゲートを破壊した事で此方の最新技術を秘匿出来た可能性もありますし、最悪の場合は物量作戦で勝てるでしょう。 少なくとも最初の一回だけは物量作戦が効くはずです。」


「成程、そうすれば千年の猶予期間が得られますね・・・ 何とかなりそうで一安心です。」


「ええ」 (十色は、心の中で千年を待たずにファーストが出てくるようになる未来も有るのだけどね。 と、思いながらも周りに合わせた。)


 今後の防衛計画についての話もなされ、後日正式に調印式が行われる事となった。

 それにより、地球艦隊はテラⅡと24番国にそれぞれ1個護衛隊群 (10万隻)を配備、星団連盟国には2個護衛隊 (2万隻)配備する事となった。 


 そこで十色は、艦隊の移動と再配置をバイオロイド達に任せ、第104囮艦隊本隊と1個護衛隊群を引き連れて『かねつき』に向かった。


 この頃になると同盟各国の調査艦隊も24番国を中心として活動しており、『かねつき』や『新地球』に対する情報収集を行っている事から、同盟共有のデーターベースにはかなりの情報が集まっていたが、小規模な戦闘も多数発生していた。


 『新地球』の艦隊は外側に行けば行くほど旧式艦となる為、外縁部においては同盟艦隊が優勢ながら中心部に行けば行くほど情報の取得難度が・・・




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