100 会談二日目
互いに準備を終えて、第2回目の会談が・・・ 但し24番国には前回の会談時に、空間圧縮通信機を渡しているので今回はモニター越しに行われた。
挨拶やメンバー紹介などを行い、早速本題へと・・・
「十色司令、頂いた資料に・・・ 我が国にとってはオーバーテクノロジーに該当する物が数多く含まれていたのですが、制約や規約等の制限も殆ど無く・・・ このまま受け取っても宜しい物なのでしょうか?」
「勿論です。 我々がお渡ししたのは、地球で発達した技術です。 人々の安全と、生活を豊かにする事にお使いください。 但し、他国の技術や共同開発した物に関しては地球だけの判断ではお渡しできないので、今回渡した資料から除外してあります。 そちらは24番国の今後の外交で他国との協議をへて入手する事になるでしょう。」
「分かりました。 感謝いたします。
それで・・・ 軍事同盟なのですが、我が国も参加出来るものでしょうか? もしくは地球との2ヵ国間だけでも同盟を結ぶことは?」
「そうですね。 軍事同盟に対して反対は無いと思いますが、各国との調整等に時間がかかりますので、取り敢えず地球と何かしら条約・・・ 安全保障条約辺りを結ぶ事にしましょうか? そちらに問題が無ければ、後日担当者協議で細部を詰めたいと考えますが?」
「保障条約ですか・・・ 是非願います。 勿論締結は内容を確認させてもらってからの事になりますが・・・」
「ええ、大丈夫です。 後は担当者に任せ、内容に納得がいったら条約を結びましょう。 後、これに関係する事ですが、この国から出て行った人々を呼び戻す事は出来ますか? 防衛を考えると、人類にはある程度纏まっていてほしいのですが・・・」
「そうですね・・・ 我が国の現状に不満があって出て行った人達ですから・・・ 」
「成程、国の現状改革が必要と・・・ 内政干渉にならない範囲で、こちらから支援を行う事も可能です。 この辺りも担当者による協議を経て支援策の策定と実施を目指しましょう。」
「十色司令の申し入れはありがたいのですが、我が国には対価とする物も無く・・・」
「それは大丈夫です。 支援については無償で行いますから。 ただ、支援とは別に地球への移住希望者が居たりすると嬉しいのですが・・・ 勿論希望者が0でも構いません、支援はきちんとさせて頂きます。」
「それらについて、質問があります。 地球の位置は敵に知られていて、いつ戦争が再開するか判らないとの事ですが・・・」
「はい。 しかし十分な防衛戦力を整えてあります。 100%安全と言えるでしょう。」
「そうですか・・・ 後、火星人が居るとの事ですが・・・ 正直に言って本当に危険が無いかどうか・・・ 何か、対火星人用の用意とかはしてあるのでしょうか? 防衛計画とか・・・」
「対火星人用に限定されていませんが、火星の地上にも衛星軌道上にも当方の軍事基地が有ります。 火星人が動けば直ぐに分かりますし、地球と周辺宙域の戦力で十分防衛可能です。 不備は有りません。」
「そうですか・・・ その言葉に噓は無いのでしょうが、やはり不安は残ります。 移住を希望する者がいるかは・・・」
「まあそこは、居たらいいなぐらいの気持ちですので、おきになさらず。」 (そうか・・・ 火星人の存在も移住のネックになっていたか)
その後、各同盟国に対する紹介や、 (リアルタイム通信が出来る距離ではない為、メール形式)24番国から出て行った人達に対する今後の処置について等の話し合いが続いたが、最後に資料の交換をおこなって今回の会談は終了した。
今後は、各担当者による業務調整が主となるので、トップ会談は状況に応じて行う事となった。 因みに、第104囮艦隊側の担当者は中核部隊のコア端末が行なっており、情報は艦隊で共有され、検討作業は即座に実行された。
他に、提供された情報と勝手に収集した情報を基に人類が居そうな宙域に向けて各捜索隊が派遣された。
本年もよろしくお願いします。




