9話 Aランクモンスターとの戦闘
休憩も終わり、キメラ探しを始める。前回来た時は木があまりない平地でありながら霧が薄い場所にいた。俺の予想だが風魔法を使うため、霧が薄くなってしまうのだろう。それに加えて平地と言うのは火魔法を使うからだろう。この二つを補っているから森が破壊されずに済んでいることができるのだと推測される。
一旦平地を探しながら歩き始める。道中オーガやオークと何回か戦った。オーガやオークは飛ぶことができないため、俺たちのパーティにとっては都合の良いモンスターであったため、難なく倒すことができた。
そんなこんなで休憩を何回かはさみながら散策していると、俺たち銀色の風にとって相性の悪いモンスター---ロック鳥と対面してしまった。
空を飛ぶモンスターに対応できるのは俺とミルシェ、そして一応はソフィーが対応できる。でも地上で戦うよりも苦戦をするのは目に見えていた。
「Aランクモンスターだね......」
「あぁ。でも戦うしかない」
俺がそう言うと全員が頷いて戦闘態勢に入ろうとした時、ロック鳥が威嚇をしてきた。
「「「!?」」」
俺以外全員が怯んでいた。ロック鳥はそれを見逃さず突進してきた。
(クソ)
唯一動ける俺がみんなを守るようにロック鳥の攻撃を受け流す。でもAランクモンスターだ。無傷のはずがない。腕にしびれを感じて少し動かなくなった。
「レオ!」
「俺の事はいいからみんな戦闘態勢に入ってくれ!」
すると俺を軸にしながら最初に話し合ったフォーメーションを組んだ。ロック鳥が飛んで様子をうかがっている時、ミルシェが弓で攻撃を仕掛ける。でも難なくかわされる。
(まあ当たり前だよな......)
ミルシェの腕が悪いわけじゃない。Aランクモンスターの中でも随一に早いロック鳥に当てるのは至難の業。でも俺かミルシェが地上に下ろさない限り、前衛の二人は何もできない。
そこで俺はミルシェに
「もう一度さっきと同じようにロック鳥を狙って攻撃してくれ!」
「え? でも当たらないよ?」
「いいから。頼む」
「うん。わかった!」
ミルシェがすぐさまロック鳥めがけて攻撃をする。でも予想通り避けた。俺はそこを狙って風切を使い、ロック鳥の羽に攻撃する。予想通り風切が当たってくれて地上に落ちてきた。
(よし!)
「ソフィー、ジャック頼む!」
「「わかった」」
ジャックがロック鳥の足を狙って攻撃を仕掛ける。でもギリギリのところで避けられてしまった。
(クソ)
そう思った時、ロック鳥が避けた方向にソフィーがいて羽を斬り落とす。それを見逃さず俺とジャックが両足を、ミルシェが目を狙って攻撃をする。
「ブギャァァァァ」
全員の攻撃が当たり、ロック鳥が叫びあげた。
(後少しだ)
そう思った時、ロック鳥が風竜を使ってこようとしてきた。
「魔法無効化!!」
ギリギリのところで風竜を無効化することができた瞬間、ソフィーがトドメを刺した。
「あ、危なかったね......」
「あぁ」
全員が安堵する。するとソフィーが俺に近づいてきて
「それよりも腕大丈夫?」
「一応少しは動くようになったよ。剣は片手でも使えるしね」
「でも回復するよ!」
「ありがとう」
ソフィーの回復魔法で片腕のしびれが無くなる。
「どう?」
「あぁ。もう大丈夫」
すると気が抜けたのか、ソフィーが座り込んでしまう。みんなもそれに続くように座り始めた。俺も一旦座って休み始める。
「でもAランクモンスターを倒せるってことはキメラも倒せるよね?」
「あぁ。ロック鳥に比べてキメラの方が戦いやすいからね」
「あれよりもキツイとか笑い事じゃねー。でもレオン、ナイスだったぜ」
「そうそう! レオンが居なかったら危なかった」
「あはは。でもまだクエストは達成してないから気を緩めちゃダメだよ」
俺がそう言うと全員が頷いた。でも今回の戦いでキメラには勝てると思った。なんせキメラはロック鳥に比べて飛ぶことが滅多にない。
「それにしてもB、Aランクモンスターがこんなにいるとかやばいね」
「あぁ。3人で来てたらどうなっていたことか」
「そうね」
「まあ戦うことはできるからこのまま慎重に行こう」
全員でもう一度気を引き締める。そこから少し長めの休憩を挟んでキメラの探索を始めた。ロック鳥と戦った場所から少し歩いたところに平地があり、そこに向かおうとした時目に留まった。
「あ、あれがキメラ......」
「そうね。でも殺るしかない」
「じゃあ隙をついて戦いを仕掛けよ!」
「あぁ」
全員が息を合わせて攻撃をしかける。こうしてキメラとの戦いが始まった。
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